NHK朝の連ドラに思う


日中は雨こそ落ちてこないが夕方から降り出した。やはり梅雨空が戻った。この時季、田園地帯は収穫期を迎えた麦の黄金色と田植が終わったばかりの青田のモザイク模様に彩られている。周囲の林越しにそよぐ風は栗の花の一種独特の匂いを運んでくる。この匂いほど好む者と大嫌いな者に二分される臭いはない。麦秋の頃の風物詩だ。



麦秋と呼ばれる初夏は、麦にとっての収穫の「秋」なのだ。「麦秋」、秋が入っていても季語は夏なのだ。この時季、梅雨空で心の中まで曇りがちになるところに周囲をパーッと明るくさせるのがクチナシの花の白さと芳香だ。毒があるからと、何かと敬遠させがちなキョウチクトウの白い花もその白さにかけてはあなどれない。



<NHKの朝の連ドラ「とと姉ちゃん」が始まって2週目になる。毎日が退屈な15分だと感じるのは自分だけではないと思う。・・・・何かと思い入れがある部分が多いので、せっかちにならんと、この先に期待しよう。>4月中旬のある日のクマさんの日記だ。やっぱり、せっかちだった。1ヶ月半ほど経過したら面白くなってきた。毎日、見逃せない。


オリジナルのドラマだったら主人公が何者であるかわかるまでに時間がかかり、最初がつまらなかったら見るのをやめてしまうところ、実在の人物がモデルだからその結果はわかっている。サクセスストーリーに至るまでの経過を楽しむためについつい続けて観るうちに引き込まれてしまうのだろうとクマさんなりの分析している。



折も折、きょうの朝日新聞デジタル版。NHKの朝の連ドラ、このところなぜ企業の創業者をモデルにした作品が続くかその理由を探っていた。前々作「マッサン」はニッカウィスキーの創業者竹鶴政孝、この中でサントリーの創業者鳥井信治郎も登場。前作「あさが来た」では大同生命などの創業者広岡浅子がモデルだ。


現在進行中の「とと姉ちゃん」では雑誌「暮らしの手帖」を創刊した大橋鎮子(しずこ)、今秋からの次作「べっぴんさん」は子供服メーカー「ファミリア」創業者坂野惇子(ばんのあつこ)がモデルの物語だ。この記事の中でNHKのドラマ部長は次のように語っていた。



近年、朝ドラではドラマチックな人物を描くと視聴者に支持される傾向にあり、そういう素材を探すと企業の創業者や、何かのパイニアに行きつく。番組終了後に出演者がCMに起用されることは、作品がヒットしたから企業がドラマを利用するということで、ある意味ありがたいことだ。と。


水戸黄門がいつまでも飽きられないのと同様、視聴者は結末がわかっているからクマさんがそうであったように、最初はつまらんと思いながらついつい引き込まれて行く。NHKも企業も出演者も三方どころか四方お得でいいことずくめ。さすが、皆様もNHKのドラマだ。


※ あす8日から10日まで、木曽の山歩きのため、日記はお休み。