木曽路の観光地について思う


梅雨の中休みが2日ほど続いて明日からはまた傘マークだ。8日(水)と9日(木)の2日にわたって木曽路を旅した。これといった目的はなし。みよし市と長野県木曽町が友好提携していて、同町の観光振興策の一環としてみよし市民が同町内の宿泊施設を利用するとひとり3千円の助成券を出してくれる。この制度を一度使ってみようという単純な動機だ。麻雀仲間のご近所さん3人連れだ。



木曽駒高原の中にあってゴルフ場併設のこのホテル。通常1泊2食料金が1万5千円。ネット限定直前予約料金だと9700円になる。3千円の助成券を使って6700円で泊まれた。ツインの部屋にエキストラベッドを入れてもあまり狭さを感じさせないほどの広さだ。夕食も10品ほどある上、信州そばが食べ放題。朝食の和洋バイキングの品数がちょっと少ないのが玉にキズ。この料金なら文句も言えまい。



木曽路はすべて山の中である」で始まる島崎藤村の「夜明け前」のように、自分にとっても木曽路は馴染みの薄い観光地だ。妻籠、馬込、飛騨高山からの帰り道に乗鞍・御嶽山・木曽駒の雄大な山々を眺めながらの飛騨から木曽への山越えドライブ、木曽駒高原の会社の厚生施設に泊まってのゴルフが思い出としてある程度だ。


木曽路の観光地は地理的条件として相当なハンディを背負っているのではないだろうか。首都圏から長野県の観光地へ繰り出す場合、長野・志賀高原、軽井沢・小諸、蓼科・清里安曇野・白馬、上高地・松本などと上信越の新幹線や中央線そして高速道路での交通の便が非常にいい。木曽路は前記の観光地と比べエリアも狭く首都圏からすれば観光過疎地的存在で、前記地区と比べ格下的存在に思える。



そうは云っても木曽路中京圏からは鉄道も道路の交通の便は悪くはない。が、いかんせん人口の器が違う。おまけに日帰り観光にはちょっと遠く、1泊にしては近すぎる感が否めない。ネットで観客数を調べてみた。(2012年)塩尻市の「奈良井宿」63万人、南木曽町の「妻籠宿」48万人、岐阜県中津川市の「馬籠宿」52万人。


塩尻市の「奈良井宿」へのアクセス。車の場合首都圏中央道(高井戸)から3時間。中京圏中央道(小牧)から2時間10分。鉄道の場合新宿〜塩尻〜奈良井 3時間 名古屋〜木曽福島〜奈良井1時間45分。全国的に知名度の高い妻籠・馬込から比べてそれより知名度の低い奈良井が集客力があるのは鉄道駅が街並歩きの起終点になっているというアクセスのよさがあるのではないだろうか。街並保存の行き届いていることはもちろんのことであるが。



結局、何が云いたいかというとこういうことだ。木曽路という狭いエリアで首都圏から不便で中京圏からも中途半端な距離というハンデでマイナーな観光地になっている気がしてならない。この写真にある「奈良井宿」とか後日カキコする「東山魁夷心の旅路館」とか「馬籠宿〜妻籠宿ウォーキング」などひとつひとつの観光スポットをとらえればもっと知名度のあがってもよい素材ばかりだ。これをどうしたらいいかというようなことは専門家に考えてもらえばいいことで、クマさんとしては木曽路がマイナーな存在で甘んじているのが残念な思いだ。