プロゴルファー松山の五輪辞退


朝の内は雲が主役だったが、日が高くなるにつれ雲間から日差しが漏れ、林間の緑陰が恋しくなるような一日。写真は、緑化センターの林間で群生するギボウシだ。


今、米国で活躍しているゴルフの松山英樹リオ五輪への出場を辞退すると宣言して話題を呼んでいる。国賊だなんという非難の声は聞かない。理解を示す声の方が多いような気がする。だって、五輪で金メダルとっても賞金は出ない。(国からの報奨金があるかもしれないが)シーズン中のスケジュールが詰まっている。ジカ熱、治安に対する不安がある。わかる。わかる。



110何年ぶりかに五輪競技に復帰するゴルフは、本来ならリオ五輪の目玉の1つになるはずだった。しかし、五輪がシーズン中に加わることで選手たちのスケジュールが非常にタイトになり、トッププロ10数人が既に出場辞退の意向表明をしているという。松山もその内のひとりということだ。ゴルフが五輪の競技種目として決まっているのは20年東京五輪まで。24年大会以降継続されるか大いに疑問だ。


松山の出場辞退の報を知ったテニスの錦織も「僕もあまり出たくなくなった」と語っている。なお女子シングルス2人とダブルスは出場が決まっている。ゴルフにしろテニスにしろ、100年以上の歴史があり、高額な賞金を懸けて、世界を転戦する個人競技が果たして五輪に馴染むか疑問だ。



われわれの世代だと五輪は「アマチュアスポーツの祭典」という意識が非常に強い。東欧やソ連の選手が国から給料を貰って五輪に出場しているのは違反だとブーイングをしたものだった。プロの出場を認めたのはIOCサマランチ会長の時だった。「商業五輪」の始まりの時だった。アマチュアにはできないプロのスーパープレイを世界中の人にとい触れ込みで。



今、フィギュアスケートとボクシングはプロが五輪に出場できない。IOCに加盟する各国際競技連盟にプロに対する扱いは一任されているそうだ。行き過ぎた商業五輪が見直されているいま、ゴルフやテニスのプロの扱いも曲がり角に来ているのではないだろうか。野球だってそうだ。東京五輪のとき、米国は大リーグのスタープレイヤーはまず、ほとんどが辞退するだろう。


話を本題に戻そう。出場を辞退した松山には責任も批判を受ける理由もないと思う。ブラジルが五輪開催国として五輪の舞台としてふさわしい環境を整えられなかった責任こそが問われるべきでないか。