昭和は遠くになりにけり


大陸で消滅したはずの台風1号が生き返り、梅雨前線にちょっかいをかけて九州では大雨のようだ。こちらは朝から断続的な雨。夕方になって、やっと薄日が漏れてきた。そんな中でのグラウンドゴルフみよし北部地区の大会。100人余りのじじばばが集まる。みんな好きなんだなぁ。


永六輔さん、ザ・ピーナッッの妹さんの訃報が相次いであった。永さんの講演は豊田とみよしでそれぞれ1回ずつ聞いたことがある。開演時間の30分前からステージに腰をおろしておしゃべりをするユニークな講演者だった。何冊も本を出しているが読んだことのあるのは、「庭説法」1冊だけの記憶だ。



ラジオでの付き合いは50年以上前からだ。学生時代よく聞いた。関東地方のどの局だったかは忘れたが、毎夜「昨日の続き」という台本なしで3人のパーソナリティーがおしゃべりするトーク番組をやっていた。CBCラジオでも「だれかとどこかで」は1年か1年半前までやっていた。その番組の晩年は舌がうまくまわらず、非常に聞き取りにくかった。


永さんの作詞による世界的なヒット曲「上をむいて歩こう」を歌っていた坂本九もざ・ピーナッッのふたりもクマさんもいずれも1941年(昭和16年)生まれだ。いま自分史を書きながら振り返ってみると、われらの年代が一番汗水流して働いていた時代が、戦後の混乱から右肩上がりの高度成長の時代だった。



その当時は今が高度成長の時代だなんて感じることもなく、ただがむしゃらに働いていた。そんな若者たちに、悲しい時もうつむかず、上をむいて歩こうと夢と希望を与えてくれたのが永さんの詩であり、その伝え手が坂本九やざ・ピーナッツだっただろう。昭和は遠くになりにけり。同い年が旅立つと感慨が一層身にしみる。