血縁より地縁


午後一時的に雲が広がっては来たが、まずは本格的な夏の日だ。あすは、土曜で土用の丑の日。町内の夏祭り。ウッドデッキには梅の土用干し。と来ればいやが上にも気分は盛夏モードだ。                       


それにしても、今年の夏は日記で「猛暑」「酷暑」などと云ったフレーズを使ったことがない。ましてや、体感に訴えるだけのそれらのフレーズの上を行き視覚にも訴えるほどの「炎暑」などおいておやだ。


それは、心配ご無用。8月になればいやというほど「炎暑」に悩まされる。と炎暑対策用につくった緑のカーテンがつぶやく。やっとゴーヤがなりだした。燃える炎のような暑さ対策の緑のカーテンがその向こう側でちょろちょろと燃え始めた小さな炎のような赤いケイトウを尻目に「涼」を演出している。



ウッドデッキの斜面周囲の草刈りをしていて、「セミの抜け殻」を見つけた。これが地上に出て1週間しか生きていないのか。この姿を見るとあまりにも辛すぎる。本当かなと思ってネット検索。やはり、これは都市伝説で実際には1ヶ月から1ヶ月半は生きているそうだ。しかし、もっとつらいセミの一生を知った。


セミの卵は木の幹の中でふ化し、幼虫となって土の中にもぐる。木の根の樹液を吸って成長。モグラなどに食べられることが多い。アブラゼミで土の中で6年。外に出て羽化。成虫になったら毎日がサバイバル。鳥、蜂、蜘蛛、人間から狙われる。


生き残って、子孫を残そうとするとこれがまた大変。オス、メスの個体数はほぼ同数。メスは一生に一度しか交尾しない。オスは複数回交尾可能。オスが一度も交尾することができないで去って行く率は37%とか。あまりにも辛すぎるセミの一生だ。




きのうの夕食時カミさんが話していた。終末ケヤーのホスピスへAさんを見舞いに行ったこと。Bさん宅は息子さん夫婦のもとで同居することになって、いま売りに出ている。Cさん宅は夫婦で施設に入り、息子さん夫婦が来て住んでいるとか・・・。


セミの一生も辛いが、人間も終末に近づけば近づくほど辛いものだ。近所での支え合いで救われることも多々あろう。頼りは血縁より地縁かもしれない。「遠くの親せきより近くの他人」ともいう。ご近所さんとのウォーキングや麻雀、そんな打算から始めたつもりはないが、案外一石何鳥かもしれない。