高齢者は70歳以上?


雲ひとつない、真っ青な秋晴れ。グラウンドゴルフに打ち興じた後には、シャワーなしではいられないほどの季節外れの暑さだ。


♪村の渡しの船頭さんは / ことし60のお爺さん この童謡、いつごろ出来たものかと調べたら1941年。自分と同い年だ。戦前は60歳といえば立派なお爺さんだった。2週間ほど前の新聞に興味深い調査結果が載っていた。厚労省が2月にネットを通じて、40歳以上の男女3千人を対象に調査したものだ。


何歳から高齢者になると思うかの問いに「70歳以上」が41.1%、「65歳以上」が20.2%、「75歳以上」が16.0%、「60歳以上」が9.8%と続いた。つまり、高齢者は70歳以上。こんな意識を持つ人が4割に上る。世界的に認知されている高齢者の定義「65歳以上」とした人は半分の2割ということだ。


働きたい年齢について最も多かったのは「働けるうちはいつまでも」の29.5%で、「70歳くらいまで」の23.6%が次に多かった。この調査結果を裏付けるような調査結果が今年の2月に博報堂生活総合研究所が60〜74歳を対象に行った意識調査だ。夏ごろ新聞に載っていた。



その調査では、欲しいものは「お金」と回答した人が40.6%となり、「幸せ」の15.7%大きく上回った。「お金」は、1位の「健康」や2位の「安定した暮らし」に次ぐ3位だった。この調査は1986年から10年毎に同じ方法で行われ今年で4回目。


「何歳まで生きたいか」という平均は84歳で86年の80歳から4年延びた。「欲しいもの」は86年の調査では「幸せ」(31.1%)が「お金」(28.1%)を上回っていた。新聞は「老後が長期化し生活の見通しが暗い状況で、現実的なお金を求める切実な気持ちがうかがえる」と分析していた。



そんなことから、自分と同世代の人たちのアンケート結果が物語っていることがわが身のことのように思える。ぽっくり寺へお参りしたり、ピンコロ体操をする人たちの気持ちも十分わかる。ただひとつ、もう少し掘り下げて欲しかった点がある。


働きたい年齢が「働けるうちはいつまでも」という回答が一番多かったが、その背景にある事情が知りたかった。生活のために仕方なくか、豊かな暮らしをしたいからか、することがないからか、世間体があるから仕方なくか だ。生活のレベルを落としてもいいから、もう会社生活はイヤだというクマさんのような考えの対極にある人たちの考えを覗いてみたくなるだ。