不気味な感じ


秋空の夏日が続く。秋の長雨を思えば少々の暑さでは文句も言えまい。きのう18日の誕生日の花はホトトギスだった。ちょうど今頃、藤岡緑化センターの林間で群生しているユリ科の花だ。若葉や花にある斑点模様が、鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることがこの名前の由来らしい。どぎつい不気味な感じの斑点模様は可憐な花だとお世辞にも言えない。そんな感じの花だ。



ついでに、もうひとつ不気味な話。この季節、朝新聞を取りに門まで行く間に庭や軒先で新しい蜘蛛の巣に出くわすことがよくある。「蜘蛛の巣」が秋の季語になっているかどうか、知らないが「秋の風物詩」といっても過言ではなかろう。「風物詩」なんていうと、聞こえはいいが、あのジョロウグモの姿をみると不気味な感じこの上なしだ。


ジョロウグモは夏から秋にかけて大きくて複雑な網を張り、網の糸は黄色を帯びてよく目立つ。腹部には幅広い黄色と緑青色の横縞模様があるのが特徴であり、腹部下面に鮮紅色の紋がある。実に不気味な姿だ。とはいっても、蜘蛛は庭や畑だけでなく、家の中の蝿やゴキブリにいたるまで害虫を食べてくれる有益な昆虫らしい。




生涯学習講座「幸せの国ブータン」は最終回。この国の仏教はチベット仏教。この国の人種はチベット系、言語もチベット系ということから文化はチベットから大きな影響を受けていると講師は語る。仏教が中心になって生活が成り立っている。家庭でのしつけも仏教の教えを中心に代々受け継がれている。


農業以外にこれといつた産業もないのに、医療・学校が無料。財源は山岳地帯の豊富な水を活かした水力発電をインドに売ることによるものらしい。軍事はインドにおんぶ。文化はチベット、経済・軍事はインド。これがブータンを取り巻く環境のようだ。


いまや、アジアの工場地帯が中国、ベトナム、タイからミャンマーバングラディシュに移ろうとしている。ブータンは物質文明から一線を画してあくまで「幸せ」の追求に向かっているのか、工業化に向かっているのか庶民目線の講師の話だから、そのあたりがはっきりわからない。実像がわからないだけに、人口70万そこそこの国でも不気味に感じる。