名古屋のトランプタワー


夜中に降った雨もあがり、昼前には青空が広がった。風も穏やかで気持ち良い小春日和というより、小夏日和と云った方がふさわしいほどだ。


きょうは生涯学習講座、お庭散歩白鳥庭園の2回目だ。1回目が9月9日だった。同じ庭園で季節の移ろいを身をもって感じてみるという趣向だ。9月の時にはまだ夏の名残があって、蚊の襲撃に遭いながら、女性は日傘をさしての散策だった。それでも、随所に秋の七草ハギが咲き乱れているいるところに秋の訪れを実感したものだった。



2回目のきょう。入園時にいただく秋バージョンのパンフレットには色鮮やかな紅葉や雪吊りの写真が躍っている。現実はどうか。園内一番の紅葉スポットは上の写真程度だ。なんてったって、クマさん造語の「小夏日和」だ。雪吊りなんてものとはまるでミスマッチだ。


これが由緒ある大名屋敷の庭園だったりすれば、季節感や自然美が欠けていても、それなりの存在感があって、見る者に満足感を与えてくれるだろう。                                    



人工的なこの庭園、前回訪ねた時に中部地方の地形をモチーフに、築山を「御嶽山」、そこからの水の流れを「木曽川」、流れが注ぎ込む池を「伊勢湾」に見立て、水の物語をテーマにした日本庭園であることを聞いている。季節感や自然美にアピールするものがないとその存在感はうんと薄っぺらなものになってくる。


散策路に落ちているどんぐりを女性が盛んに拾っている。どれがクヌギでどれがアラカシぐらいガイドは勉強して教えてやることぐらいしないと季節感を味わうものがなにもなくなってしまう。


9月に訪ねた時から大きく変わったことがあった。それは、米大統領選によって変わった。トランプ次期大統領はニューヨークのセントラルパークを一望できるトランプタワーに住んでいる。3.7ヘクタールある白鳥庭園を一望できるこのマンションはさしずめ、名古屋のトランプタワーだろう。これを宣伝することによって、庭園もマンションも資産価値が上がることまちがいなしだ。