年数日限定景色


早朝のウォーキングの時間全天を覆っていた雲も時間とともに、とれて鈍いながら冬の日差しのある一日になった。あす20日大寒だ。来月4日の立春まで1年で一番寒い頃を迎える。厳しいというか、気分的に重苦しい半月だ。しかし、四季の移ろいは日の長さの変化に表れている。昨年の冬至からきょうまでで、日の出の時間が3分早くなり、日没は24分遅くなっている。昼の時間が30分近くも長くなっているのだ。


      『冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の鈴峰(れいほう)いともさやけき』
某やんごとなきおかたが歌会始で披露された歌のパクリ。鈴峰(れいほう 鈴鹿の峰々)となっている元歌は大山(だいせん 鳥取県)なのだ。きのうの冬晴れに撮った鈴鹿山系の山々の2枚の写真があまりにもぴったりなので、畏れ多くも拝借してしまった。


おとといの朝日新聞デジタル版。富士山が見える場所の北限として理論上可能性のある福島県の花塚山(918m)からの写真撮影に地元の方が55回目の挑戦で11月下旬の冬晴れの日に成功した。ちなみに、同山から富士山までの距離は308km。そんな記事が載っていた。冬晴れの日はそれほど空気が澄んでいるということなのだ。


1年に数日、冬の晴れた日に家から鈴鹿の山々を見ることができる。。「年数日の限定景色」だが、今年はちょっと趣が違う。蛇行して地球を巡るジェット気流に乗ってやってきた最強寒波がチリやゴミを掃き清めてくれたのだろう。きのうの朝は特に空気が澄んでいた。ウッドデッキからあんなにくっきりと鈴鹿の山々が見えたことは、越して来て22年経つがはじめてのことだだ。



この二つの山を調べてみた。両山とも三重県いなべ市滋賀県東近江市の境にある。みよしから直線距離で50数km。竜ヶ岳は鈴鹿山脈の中部に位置する。標高1099m。藤原岳は同山脈の北部に位置する。1144m。日本三百名山のひとつ。山容が変わるほど石灰岩が掘られた。なぁ〜んだ、そんなことか。


藤原岳は「日本のアイガー(スイス3990m)北壁」とひとり悦に入っていたが、理由がわかってしょんぼりだ。それまでは、年数日、日本のアイガー北壁を見るたびに、「元気なうちにもう一度本場へ」と希望に胸を膨らませていたのにイメージが壊れてげんなりだ。罪作りな冬晴れだ。