プレミアムフライデーに思う


朝のうちは日差しもなく寒かったが、お昼前頃からは雲もとれ日差しに温もりが感じられる穏やかな日になった。


およそ50年前、金沢の会社へ出向した。その会社は土曜も5時までの勤務だった。20年前大阪の会社に出向した。その会社は土曜はお昼までだった。国家公務員の完全週休2日制がはじまった1992年から25年、学校の完全週5日制がはじまった2002年から15年の今年「プレミアムフライデー」(プレ金)が、先週の金曜からはじまった。


このプレ金、毎月月末の金曜は早めに仕事を切り上げようとするもので、消費の喚起と働き方改革の一石二鳥をねらった企画だといわれている。月1回の数時間の早帰りだけ、金曜の消費が増えても土日の先食いに終わるだけ、導入企業が一部だけ、など経済効果に疑問の声もある。時給制で働く人には収入減になりかねないなどとの懸念もある。



ここは、日本の経済・社会に欠かせない「働き方改革」のきっかけとして捉えてみたらどうだろうか。具体的にどうだといわれても、クマさん返答に窮するが、最近報道されていることがヒントになると思う。あまりの便利さの追求で労働者がネを上げている。物流倉庫がネを上げている。火事になって4日も燃えつづいた。
           

ネット通販のあまりの普及でヤマト運輸の労組では今年の春闘は賃上げより運ぶ荷物の量を抑えてほしいという要求らしい。通販会社アスクルの物流倉庫で火災が起きて消火に手間取ったのは、窓の少ない倉庫のせいだろう。便利さを求めるとき、それに見合うだけのコストを払っているか。どうだろう。



今では普通になった週休2日制も公務員や一部企業が先行し、隔週から毎週へと導入も段階的だった。プレ金が始まればメディアはすぐ結果を追って、月末金曜の午後5時前から満席の居酒屋の映像を撮りたいだろうが、そうは問屋は卸さない。プレ金を支持する人が多ければいずれ広がるだろう。


ゴルフのスゥイングの練習でボールを当てた瞬間、ボールがどこまで飛んだか見たくてすぐ頭を上げる(ヘッドアップ)くせをよく叱られた。正しいスゥイングを身につけることも、長年やって来た働き方を改めることも、すぐ結果を追い求められるほど簡単なものではないのだ。