竹の秋


午前中はうららかな春の陽気で、まさに「春浅し」から「春めく」に変わってきたことが実感できた。久しぶりの畑仕事にもってこいの陽気だった。午後からは、雲行きが怪しくなり、「三歩進んで二歩下がる」の春の歩みに、空模様が気にかかるこの時期だ。


ウッドデッキから眺める竹藪がいつになく黄色く見える。横にある菜の花畑に負けず劣らず黄色い。「光の春」のせいだろうか。こんな現象は今に始まったことではなく太古の昔からだ。いつぞやネットで調べたことがあった。「竹の秋」だ。
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.これは竹が黄葉し始めたということらしい。黄葉している葉は、1年間の働きを終えて枯れ、落葉しようとしている葉なのだ。黄葉している葉の付け根の小枝からすでに新しい葉が針状に伸びてきており、この新しい葉は黄葉している葉が落ちるとほゞ同時に開き、同化作用を始める。竹が黄葉して落葉する時期が筍の収穫の時期なのだ。


こうした時期が「竹の秋」といわれる。「秋」というのは、単に夏の後に来る季節をいうのではなく、季節に関係なく収穫時期をいうこともあるそうだ。そういえば、「麦秋(ばくしゅう)」、初夏の季語。麦の穂が実り、収穫期を迎える初夏の頃のことだ。