米空軍音楽隊コンサート


春の嵐」が遠ざかり、晴れ間が戻った。春の舞台の主役、桜も大物ソメイヨシノの引退で八重桜や御衣黄(ギョイコウ)桜といった個性派への移ろいが徐々に始まっている様相だ。四つ池の南西角の岸辺でソメイヨシノの桜吹雪と打ち寄せる柳の波に晒されながら、じっと耐えていた甲斐あって今、見事に紅色の八重桜が主役を引き継いでいる。



ウォーキングコースから少し外れた道路沿いの休耕田の一角に樹高3mほどの御衣黄(ギョイコウ)桜が1本だけある。淡い緑色の桜として知られている。今、咲き始めたところだ。八重の肉厚の花弁が外側に反り返っている。花が開いた時は緑色であるが、次第に緑は薄れて黄緑色から黄色になり、やがて中心部が筋状に赤くなる。見頃は下旬ころだろう。「御衣黄」という名前の由来は貴族の衣服の色に似ているところかららしい。



16日日曜の朝北朝鮮はミサイルを発射させた。米原子力空母は朝鮮半島沖に向かって航行中。沖縄嘉手納空軍基地では一時最高レベルの危機体制が敷かれたといわれる。そんな中、米国空軍太平洋音楽隊の親善コンサートが文化センター・サンアートで開かれた。お国の一大事ということで、中止になるのではとの心配は杞憂に終わった。


このバンド13人編成によるビッグバンドで 初期のニューオリンズジャズからモダンジャズまでボーカルナンバーも含めて 幅広いレパートリーを取り揃えている。メンバーは元プロミュージシャンや大学のバンド出身者がオーデションを受けて入っている。メンバーは横田基地に配属され、階級は曹長、軍曹、上級空兵など。演奏活動をすることが任務で、片手間に演奏をしているわけでないので、本格的だ。


この音楽隊の創成期のリーダーだったグレンミラーの曲のメドレーでは、ジェームススチュアート主演の映画「グレンミラー物語」を思い起こされた。スィングジャズだけでなく、日本の「さくらさくら」や「ハナミズキ」、市内の中学生のブラスバンドと共演で「みよし音頭」の演奏など千人以上の観客を魅了した。


一緒に行った老人会のメンバーも、ジャズのライブは初めてだったが、千円の入場料は安かった。との感想。翌日ウォーキング仲間のご近所さんも、誘われて余り気乗りしなかったが、行ってみてよかった。の言。これだけのジャズを千円で聴かせてくれる米国の懐の深さを改めて感じた。