麦秋


きょうも広く青空が広がった。緑の木立を揺らす風がないだけ、きょうは暑さを感じる。腰の具合も順調に快復している。来週からの旅行を控え、今週はグラウンドゴルフも休んで、大事をとって旅行前のドクターショッピングが毎日続く。眼科、歯科、整形外科(腰のリハビリ)、循環器科


そのドクターショッピングの道すがら、ショートカットで豊田の西はずれ旧国道153号線の三好との境の田園地帯を車で駆ける。田植が終わったばかりの瑞々(みずみず)しい光景のなかに、黄金色の「秋」が混じっている。新緑や田植直後の田んぼと好対照をなす、収穫期の麦畑だ。普段、なにげなく通る道も改めて見ると、麦秋のこの風情は捨てがたい。



むかしは、この写真のように黄金色の麦畑と田植の終わった水田が並んでいる光景などは見られなかっただろう。どこの田んぼも麦の刈りいれをして、その場所に田植をする、つまり水田稲作のためにつくった田んぼの裏作として麦をつくっていた。先日の「塩の道」バス旅行の車内で農家出身の人がこんなことを話していた。


おにぎりと稲や田んぼは結びつくのに、パンに麺類、ケーキ、など毎日といっていいほどお目にかかっているこれらの食べ物と麦の穂や麦畑が結びつくことはまずない。麦の国内生産量が少ないことが原因だろう。コメのように国が税金を使って農家から買い上げるようなことを麦もやったら、財政がもたんだろうなぁ。休耕田がアクビをしているが・・・。難しい問題だ。



「秋」とは、夏の次にくる季節。それだけではない別の意味もあるのだ。季節に関わらず収穫時期を秋と呼ぶことがある。「麦秋(ばくしゅう)」:麦の穂が色づく初夏を指すというように。また、「竹の秋」竹の葉が枯れたように黄ばんできて、筍が成長しはじめる春4月ごろを指すように。


爽やかな5月の風に揺れる、熟れた穂。「麦秋」のこの風情は捨てがたい。