半夏生あれこれ


週末はめまぐるしく天気が変わった。土曜の昼過ぎから、もう梅雨明けかと思えるほどの強い日差しと蒸し暑さが続いた。日曜の午後からはまた元の梅雨空に戻り、週明けのきょうは本当に梅雨明けみたいな日差しだ。2017年の後半、7月の新しい週が始まった。1日の土曜日のラジオ深夜便で誕生日の花はハンゲショウと伝えていた。暦の上で夏至から11日目の「半夏生(はんげしょう)」はきのう2日だった。花の名と暦の上の名称が同じなのだ。


このハンゲショウ、豊田・藤岡の緑化センターに群生地があり、今頃は林間の沢数十mに渡って群生する湿地一面が白い色に染まって見えるから壮観だ。去年もおととしも、この時期に「季節の花めぐり」が開かれ、参加した。その時の講座の内容の記憶をたどってみる。




暦の上で季節の移り変わりを掴むために設けられた二十四節気があり、それをより的確に掴むために雑節がある。その二十四節気の「夏至」から数えて11日目が雑節の「半夏生」になる。今年は7月2日がその日にあたる。この頃は梅雨の末期で、半夏(はんげ。カラスビシャクともいう)という毒草が生える時期、つまり「半夏生」といって、農家では田植えを済ませる習慣があったという。



ハンゲショウドクダミ科の多年草で山すその湿地に生育する。6月の後半から8月にかけて分枝した茎の先端に長さ10〜15cmの花ができる。花のころ緑の葉が付け根から先端に向かって徐々に白くなって行く。「ハンゲショウ」のネーミングは白くなって行く様を「半化粧」とする説と、花が咲き、葉が白くなる時期が暦の上の「半夏生」の頃だからという説があるのはこのような理由からだ。



それでは、なぜ葉が白くなるのか?理由は、昆虫に花のある場所を知らせるためだ。普通その役割をするのは花びらなどであるが、ハンゲショウは葉を看板にしているのだ。花が咲き終わって夏の盛りの頃になると、白い葉の白い部分は色落ちして、ふつうの緑色に戻るのだ。花は葉と同じく白で、紐状。「片白草(かたしろぐさ)」の別名もある。


大阪赴任時代に,半夏生のときに「明石だこ」を食べるとか、「河内名物半夏生だんご」を食べるなどと聞いたことがある。節分に豆、恵方巻き、土用にうなぎ これらと同じ類だと思う。半夏生は暦日としても関連商品としても節分や土用ほどメジャーでない。HANGESHOWブランドの水着まであるのは知らなかった。半夏生どこまでメジャーに迫れるだろか。