東山植物園を歩く


青空が広がり、たっぷりの日差しが降り注ぐ快適な陽気となった。生涯学習講座「東山植物園を歩こう」には絶好の日和となった。アップダウンがかなりある丘陵地の散策には汗ばむほどの天気だった。東山公園の動物園は子供の頃から何度も行ったが、植物園は初めてだった。


ここには、約7千種もの植物を展示しているほか、国指定重要文化財の「温室」や白川郷から移築した「合掌造りの家」などがある。 丘陵地の地形や自然林を生かした展示になっており、園内を巡りながら植物に親しむことのできる万葉の散歩道、薬草の道、東海の森などの散策コースを全部歩いた。




木々の紅葉には早すぎ、花も端境期、咲いている花といえば、春・秋咲きの子福桜と十月桜、ツワブキ、コウヤボウキくらい。それでも、都会の真ん中でこれだけの自然を残し、維持しているのは立派なものだ。みよし在住の知人が2千円の年間パスポートを買って、年に10数回は訪れると聞くが、頷ける。ほとんどの草木に名札がついているのは親切だ。


植物園で唯一紅葉しているのが、カイの木だ。7、8mはあるウルシ科の高木。漢字で書くと「楷」。直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから、楷書にちなんで名付けられたとされる。夏には大きな木陰をつくり、秋には美しく紅葉することから、街路樹、公園や庭園などに植えられる。



コウヤボウキは9〜10月に林の中で咲くキク科の小低木。高野山で茎を束ねて箒(のうき)の材料としたことからのネーミング。「子福桜」も「十月桜」も秋から冬と春の年二回咲く。「子福桜」の花びらは八重。早春に咲くミツマタ。和紙の原料となる木。枝が3本に分岐して花が咲く。来春の開花に向けてもう準備が出来ているみたいだ。


きのうの日がな室内に閉じこもりの不健康な生活に対し、きょうは旨い空気を吸って歩き、みんなで弁当を食べて、何と健康的な生活をしたことか。