初冬の白川郷、晩秋の金沢


岐阜県内で最も豪雪地帯と云われる白川郷一帯も、11月下旬のこの時期、うっすらと雪化粧程度で、積もった雪に足を取られることもなくラクチンで散策を楽しめた。毎年、この時期恒例の金沢在勤時のOB会に今年も出席した。車での金沢移動は3年ほど前からやめた。


カネはなくても時間はリッチのサンデー毎日だ。せっかくの金沢行き、なにも特急しらさぎに乗る必要もあるまい。ローカル列車やバスを使って途中下車を楽しもう。という趣向で毎年の金沢行きを楽しみにしている。今年は、名古屋から高速バスで高山へ。高山からローカルバスで白川郷。1時間半ほどの散策後、白川郷から高速バスで金沢へ。



朝8時45分に名古屋を出て、3時半には金沢に着いた。高速バスで郡上八幡を過ぎると、遠くに雪山が見えていたが、ひるがの高原あたりでは周囲一帯が一面の雪景色だ。こんな景色の移り変わりを楽しんでいるとあっという間に2時間半。高山到着だ。


高山からのローカルバスはローカル客と観光客の混載でほぼ満員。白川郷から金沢までの高速バスは予約制で満席。キャンセル待ちが5人ほどいた。乗客は白、黒、黄色の肌で多彩だ。やはり、黄色が一番多い。集落の散策でも、バスの中でも静かで落ち着いた雰囲気で観光を楽しんでいる連中が多い。




世間のひんしゅくを買っている連中は、いわゆる爆買いの連中だろう。こういう連中は大阪がよく似合う。白川郷あたりまで来る連中は本当に観光を楽しんでいる人たちだろう。我々が海外旅行する時のバイブルともいえる「地球の歩き方」に相当する外国人の海外旅行のバイブル「ロンリープラネット」らしきガイドブックを手に散策している人を多く見かけた。


思い起こせば、40数年前金沢時代に金沢から名古屋行きのバスに乗って日帰り旅行をしたことがある。勿論、高速道路なんかない。金沢、砺波、白川郷(鳩ヶ谷)、白鳥、郡上八幡、岐阜で降りた。名古屋まで行っていると、帰りの電車がなくなるので、岐阜から羽島に出て新幹線で米原経由北陸線で帰ってきた。



そのバスは鳩ヶ谷で30分くらい昼飯休憩をした。当時、観光客もほとんどなくのんびりしたものだった。合掌造りの家の庭先に乗用車が停めてある風景なんて考えられなかった。今では、普通の風景だ。その後三度も四度もここに来たがその都度風景が大きく変わった。トイレがきれいだ。世界遺産の集落にふさわしい風格が備わった気がする。


ただ、飲み会に行って帰るだけでなく、初冬の白川郷、晩秋の金沢の味わいを、ほんのひとときだけでも、噛みしめて帰ることができた。