チャンポン酒とボスの意見は後で効く


連日の紺碧の空もきのうで途切れた。きょうの日中は晩秋から初冬にかけてよくある天気。降ったり、照ったりの気まぐれ天気だ。きょう11月29日の誕生日の花はイチョウラジオ深夜便。先日のカエデと同様、春先に咲く花は目立たず、秋の黄葉がよく目立つから選抜されたとの解説だ。




10日ほど前の朝日新聞天声人語」に「横断歩道は車優先?」と題してこんなことが書かれていた。名城大の英国人准教授から同紙に投稿があった。「日本に来てとまどったことのひとつは、信号機のない横断歩道は車優先ということだ」と。


その証拠に、JAFが今夏全国94か所で実態調査したところ、渡る人がいる横断歩道で停止した車は1万251台のうちわずか867台だった。何を物語るか。お上を意識して動く。そんな日本社会の特徴が出ているのではないか。同准教授は「日本では横断歩道で車は止まりません」と外国人に周知してほしい。そんな提案もしている。情けない話だと結んでいる。


8年前の11月19日のクマさんの日記にこんな記述がある。その抜粋。「さすが大正生まれのエライ人のいうことは違うと感心した。宴会が終わり二次会の会場から三次会の会場への移動。小雨だがタクシーを呼ぶほどの距離でもなく歩いて移動。もうすぐ日付が変わると言う深夜の交差点、赤信号だが車は全く通っていない。先頭を歩くボスは小雨の中をじぃっと青に変わるまで待っている。普段こういう場合赤でも渡ってしまう自分を含めた数人の同行者も仕方なく青になるまで待った。



店に入ってボスいわく。《君ら、イライラしたと思う。だが、一つでも例外を認めてしまうと、それがいつのまにか普通になってしまうものだ。信号を守りすぎるのはバカ正直だと云われるかもしれない。こういう場合には渡ってもよかろうと赤信号で渡っている間に基準がどんどん緩くなってしまう。”これくらいなら”という意識がさまざまなコンプライアンス違反の事件につながってしまうのだ。よぉ〜く肝に銘じておけ》


一瞬座がしらけたが、すぐバカ話に話題を転じるあたりはカナメだけは抑える年の功と言ったところだろう。このボスの話、理屈としてはわかる。しかし、こんな非合理的で無意味なことをする必要があるのか?自己責任で判断すればいいのではないか。いまだに、しっくりこない。」


先日の朝日の天声人語を読んで、日記に書いたことを思い出した。ドライバーは誰しも信号のない横断歩道でも停止することを心掛けているだろう。ボスの指摘のように、一つでも例外を認めて、それがいつのまにか普通になってしまい、日本では「信号機のない横断歩道は車優先」になってしまったのではないだろうか。


酒のチャンポンとボスの意見は後から効いてくる。