ケヤキ


朝、真っ白に凍りついた車のフロントガラスが昨夜からの冷え込みを物語っている。すべてが凍てついた冬の早朝は霜が輝き、薄汚れた車のボディーも美しく包んでくれている。日の出前の時間が、日中でもっとも冷え込むとき。そこに朝日がケヤキの大木に射すと華やかな景色となる。一日の活動が始まる前の緊張の一瞬だ。



きょう12月21日の誕生日の花は「ケヤキ」とラジオ深夜便。花や実は全く目立たないが、秋から冬にかけて見所が多いのでこの日の花として選ばれたことはうなづける。一番の特徴は落葉後の放射状に広がる樹形だろう。一目でケヤキとわかる。                  


秋の紅葉(褐葉)もきれいだ。葉の色は、木によって「赤に近い茶」「茶」「黄色」などに分かれるようだ。楡(ニレ)科ケヤキ属の広葉樹で30mくらいの高さになる。寿命が長く街路樹に多い。ケヤキの花は見たことがない。来年の春は一度見てみたい。



全体で600坪くらいの広さの家庭菜園。40数人のメンバーだ。その西端に15m以上もあるケヤキが1本ある。家庭菜園のシンボルツリー的存在だ。12月から3月までは、ほとんどの人が畑に顔を出さない。だから、シンボルツリーのケヤキが常緑樹だと思い込んでいる人がけっこうな数いる。


夏のこと「あのケヤキが紅葉するなんてそんな・・・」なんて云う人がいたので定点観測したケヤキの写真を見せてやった。春の若葉のとき、褐葉のとき、落葉後の独特の樹形のとき。三枚の写真で、その人は納得した。        



11月の半ばころまではどう見ても常緑樹だとしか思えない趣だ。下旬ころから徐々に葉が褐色に染まって行く。写真より赤く変身したりするものもあるようだ。そして、12月下旬の落葉後には放射状に広がる独特の樹形の姿が現れる。やはり、ケヤキは褐葉と落葉後の姿にみどころがある。


ケヤキは落葉後に枝が細かく分岐し放射状に広がるその姿が最も美しいとも云われるようだ。葉におおわれている時も立派な木だが、枯れ木になってますます品格が感じられところにケヤキらしさがあるとも云えるだろう。ナイスガイがナイスミドルになりナイスシニアになったようなものだ