つれづれなるままにこの1週間


きのうの嵐の「戻し風」とでも言おうか、冷たい風がきょうまで尾をひいている。きのう東海地方に「春一番」が吹いたとテレビで報じていたにもかかわらず、冷たい風だ。そのニュースの中で宝塚音楽学校の卒業式の模様も報じていた。NHKさん、きょうもまた忖度しただろうか、宝塚歌劇団を象徴する「すみれの花咲く頃」にちなんできょう3月2日の誕生日の花はタチツボスミレとのことだ。


国内で見られるスミレは、ほとんどが花の色が薄紫のタチツボスミレらしいが、都会に近い場所では花の色が濃い紫のスミレが優勢らしい。家庭菜園ではこのスミレがどこから侵入して来たのかわからないが、3月の終わり頃から所狭しと咲いている。スミレ科スミレ属。


今週も色々な出来事があった。つれづれなるままに、ひぐらしパソコンにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとをカキコしてみた。



● ヤミ民泊裁量労働法制の削除
兵庫県で行方不明だった女性の遺体が遺棄されていたのは大阪のヤミ民泊だった。事件の印象に引きずられ、テレビのワイドショーや週刊誌で民泊の意義や可能性まで否定する騒ぎは起こしてほしくないものだ。宿泊者の身元確認や消防設備の不備などの違法営業の実態を把握し、健全な発展に向けて冷静な議論を望みたい。


働き方改革関連法案で、裁量労働法制の拡大部分を削除することになったが、この問題も上述のヤミ民泊とコトの本質は同じだと思う。労働時間をめぐる不適切データ問題ばかりがクローズアップされ、裁量労働制の合理性が与野党で議論されないまま、混乱を収拾するために引込められてしまった。企業や労働者は、政権が倒れる倒れないにかかわらず、時代の変化にかなった労働法制を望んでいるのだ。



  ● 売り手市場の就活解禁
来春卒業の大学生を対象にした会社説明会の開催などが1日に解禁され、企業の採用活動が本格化したことをどのメディアも一斉に流していた。テレビに映し出されるリクルートスーツで会場に集まった学生たちの姿を見て、白線帽・高下駄・黒マント・手拭いの旧制高校の学生とどう見たって同じ年代の青年には思えないのだ。


旧制高校を出た会社の大先輩から、その寮生活などについて話を随分聞かされた。旧制高校に入れば、原則無試験で帝国大学に進学できる。余裕ある環境の下、寮の仲間と競い合うように難解な哲学や文学、歴史の本を読み、知的な議論を交わす教養主義は、旧制高校の伝統だった。と。



その当時の学制は中学5年、高校3年、大学3年。社会に出ると23歳以上だ。同世代の大半が幼くして働いている中で、こういうゆとりある青春期が将来役に立つと世間も認めていただろうと思える戦前のエリート青年像といえるだろう。戦後の機会均等や平等の理念のもとでは、少数者に対する特権的なエリート教育である旧制高校は不要の存在になってしまった。


戦後70年以上経ち、国際競争力が云々されるこの時勢だ。中等教育では、蒲郡にある海陽学園などエリート教育校もあるようだが、旧制高校的なエリート教育校も見直す時期に来ているのではないかと思う。何かせかせかして、ゆとりのなさそうなリクルートスーツ姿の学生がテレビに映し出されるのをみて、こんなことを思った。