毎年よ彼岸の入りに寒いのは 


1週間近くも続いた乾いた天気には、けっこうなお湿りが朝からお昼過ぎまで降り続いた。朝のラジオでのお天気姉さんが伝えることには、きょうの最低気温は12.9度、最高気温は13度だとか。暖かな雨が降った後の風の冷たいこと。この大きなギャップが最高、最低気温の差をフラットにしている。おかしな現象だ。


きょう3月16日の誕生日の花はハルリンドウラジオ深夜便。10日前の3月6日にアップしたショウジョウバカマを撮影した瀬戸の山奥、岐阜県境にある山野の日陰になることの多い斜面にはショウジョウバカマ、陽当たりのいい部分にはハルリンドウが点々と咲いていた。


ハルリンドウの花期は3〜5月。ふつうのリンドウは秋に咲くが、この花は春にきれいな青紫色の花が咲くことからのネーミング。リンドウ科リンドウ属。



暖かな雨とか雨の後の寒さなどと云っている傍らで気がつけば、あさっての日曜18日は彼岸の入りだ。


毎年よ彼岸の入りに寒いのは  正岡子規


「お母さん、お彼岸だというのに寒いなあ」と言うと「毎年よ・・」と母がこの句のように答えられたという。これが現代口語体俳句の基本形になったそうだ。 正岡子規は春の彼岸を迎える度に、お母さんを偲び、供養の手向けをしていたことだろう。




天気予報会社の桜の開花予想では名古屋は21日とか。本当にそんなに早く桜が咲くかと心配する人には実に説得力のある句だ。毎年この時期になると思うことだが、彼岸の入りから明けまでの1週間ほど劇的な季節の転換は他にないと思う。冬の流れからいっきに桜が咲き、うららかな春の流れに変わる瞬間がこの”お彼岸ウィーク”だ。確かに「寒い冬」から「暖かな春」へのヘヤピンカーブと云おうか、V字的な曲がり角だ、