桜ウォッチング


雲ひとつない青空。久しぶりだ。ただ、風の寒さが「玉にキズ」ならぬ「青空にキズ」だ。ウォーキングのメンバーにコーラスグループのメンバーがふたりいる。彼女らがいうには「早春賦」の世界だネ。他のメンバー異口同音に「そだねぇ」。(「早春賦」:コーラスの名曲。♪ 春は名のみの 風のつめたさ・・・・で始まる)


この季節ともなるとウォーキングしていても桜の動静が気にかかる。コースを変えてウォッチング。四つ池の桜並木。きのうは「まもなく開花」のコピーでアップしたが、きょうは「開花秒読み」だ。四つ池から吹き上げて来る冷たい風に枝が寒そうに身震いしている。週末には開花宣言だろう。来週は20度超の日が続く予報だ。いっきに見頃となるだろう。



百数十戸の住宅が立ち並ぶあざぶの丘住宅。周回道路からの入り口がロータリーになっていて、東側出入り口にはそのロータリーにシダレザクラがある。3月19日の誕生日の花がシダレザクラでその日には東谷山のそれを日記にアップした。写真は3月下旬に見頃となるベニシダレだ。桜の寿命、ソメイヨシノ60年に対し、シダレザクラは300年だとか。


いいトシこいた、おじさんおばさんが「梅は咲いたか、桜はまだか」と朝っぱらから道幅いっぱいに横に広がってぺちゃ、くちゃ。車のクラクション、自転車にベルを鳴らされ迷惑千万。そんなことまでして桜ウォッチング。日本人はそれほど季節の移ろいに敏感ということだろう。


先日、外出の際、雨降りで肌寒い日だった。冬の服装で出かけようとすると、カミさん曰く。「もっと春らしい服装にしたらどう?」そうか、天気に合った服装より季節に合った服装の方が大事か。これぞ、日本人だ。つまり、日本人はそれほど季節の移ろいに敏感なんだ。そういうことだろう。



桜ウォッチングのゴールは地元の公民館。その脇にある桜の老木。樹齢60数年らしい。遠目にはまだ開花の気配もない。近くに寄ると、5.6輪咲いている。標準木だったら開花宣言だが・・・。老木の幹に苔が生え、つやがまったくない。ソメイヨシノの寿命60年と云われるから、老衰に近いように写る。


老木の根が公民館の地下深く入り込み地下水脈に影響を与えて、床下が腐ってしまったようだ。この5月にはこの老木は切り倒されることになった。そこで、こんどの日曜に近くの住民有志で「お別れ観桜会」を開くことになった。桜の花らしく、25日の日曜にはぱぁ〜と咲いていさぎよく散ってほしいものだ。



さまざまな こと思い出す 桜かな  芭蕉


芭蕉のこの句も字面だけ追って行けば、なんだこれだけのことかとなるだろう。高尚な人は、武士は決して死をおそれず、どう立派な死に方をしようかと考えている。死ぬべきときがくると桜の花のようにいさぎよく散っていったのだ。日本人の心は桜のようだというだろう。