ウォーキングがてらの花見

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「近郊近在の花見」第二部はウォーキングがてらの花見だ。まずは、三好丘緑遊歩道桜並木だ。宅地開発の際、上空に高圧線が通って住宅地には不適のため両側を桜並木とした約600mの遊歩道だ。樹間には10数種の体力づくりの運動器具が設置されている。地域住民の憩いの場所となっている。平日の昼下がり、学校が休みに入っても人っ子ひとり通らない遊歩道を独り占めだ。


ここの桜並木には、ソメイヨシノが圧倒的に多いが、ヤマザクラオオシマザクラが何本もある。日本の野生のサクラの代表であるヤマザクラは若葉と同時に開花するため、ソメイヨシノと比べると、若葉の色(赤味)が混ざって見える。オオシマザクラは若葉が緑色なので区別できる。



次は高嶺(たかね)公民館の余命あと1ヶ月の老木だ。余りにも大きくなりすぎて脇に建つ公民館の建物維持に支障が出て来たので、5月の連休明けに建物の改修工事と桜の木の伐採が決まった。先月25日、まだ二分咲きだったが、お別れ会を催した。満開の1日と2日に40〜50人集まる会合があって、まだ現役バリバリの老木に別れを惜しんだ。


Doragon 514さんが入院中の仲間の御婦人を見舞いに行った際、この桜の木の話をその御婦人にしたところ、彼女は感慨ひとしおのようだったそうだ。豊田から三好に嫁に来て、婦人会でこの桜の木を植えたそうだ。先日も、花金居酒屋で、あの桜の木は植えて何年経つか話題になった。60年くらいでないかという結論だったが、どうも正解のようだ。彼女の年齢と嫁に来たときから推定するとほぼまちがいない。



最後はグラウンドゴルフのホームグランド桜公園の桜と雪柳のコラボレーションだ。わずかに赤みがかった白の桜と純白の雪柳。桜の花が純白のプリーツのスカートをはいて桜の花を引き立てているかのように映る。豊田・藤岡緑化センターに行けば、もっと壮大な桜と雪柳のコラボが見られる。身近な所でこれだけのものが見られれば、十分だ。


ここの桜にはグラウンドゴルフのメンバーそれぞれに思い出が詰まっている。5年ほど前の12月、寒い朝だった。いつものとおり20数人のメンバーが打ち興じていた。多目的グランドの周囲は人の背より高いフェンスで囲われ、それに沿って桜の木が植えられている。この写真の一番手前の桜の木のフェンス越しあたりでアクシデントが起きた。


メンバーのY子さん、打席に立ってアドレスに入った瞬間にばったりと倒れ、救急車で運ばれたが帰らぬ人となった。大変仲睦まじいご夫婦でこの日御主人も別の組でラウンドしていた。葬儀のとき、ご主人の挨拶が皆の涙を誘った。「あれだけグラウンドゴルフが好きだったY子は、あのような旅立ちの仕方をして本望だっただろう」


花と絵を描くことも趣味だったY子さん、お孫さんを連れてわが家へバラや四つ池の桜を見に来たこともあった。緑遊歩道の北端の近くにあるギャラリーで彼女の遺作展も開かれた。桜公園の桜の頃になるとなぜか、こんなことが思い出される。「さまざまなことを思ひだす桜かな  芭蕉