三大がっかりか、韮山反射炉


午前中は今にも降り出しそうな雲行きのなかでグラウンドゴルフ。お昼ごろからはとうとう降り出した。走り梅雨の感じだ。あしたからは6月。本格的な梅雨入りも間近だ。


世界三大がっかりブリュッセルの小便小僧、コペンハーゲンの人魚姫像、シンガポールマーライオン。これらは名前は良く知れ渡っているので、実物を見たくて行ってみると、たいしたことなくてがっかりする。通説になっている。先日の伊豆へのバス旅行で伊豆の国市にある韮山(にらやま)反射炉を見学してきた。バスガイドは「日本三大がっかり」の三番目にノミネートされていると云っていた。



その「日本三大がっかり」の一つ目は札幌の時計台、二つ目は高知のはりまや橋で三つ目には沖縄の守礼門、長崎オランダ坂名古屋テレビ塔仁徳天皇陵などとともに韮山反射炉が挙っているそうだ。世界にせよ日本にせよ三大がっかりに挙げられる施設は名前が広く知れ渡っているにもかかわらず実物は・・・だ。韮山反射炉は果たしてその域に達しているだろうか。


この反射炉は「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつとして世界文化遺産に登録されている。そもそも反射炉とはなにか?炎と熱の反射を利用して金属を溶かし大砲などを鋳造するための溶解炉だそうだ。韮山反射炉は、品川台場などに砲台をつくるために実際に稼働した反射炉として国内で唯一現存するものだそうだ。



現場でボランティアガイドさんから説明を聞くまで、単に煙突にすぎないものだと思っていたのが実は反射炉だった。NHKののど自慢全国大会での優勝者が必ずしもプロとして成功するとは限らないように、「世界文化遺産」という称号を引っ提げていても、「反射炉」などというネーミングが一般受けにはほど遠く、「煙突」にしか見えない”みてくれ”で観光資源としての成功率は低いのではないかと思う。



「幕末大砲製造工場跡」といったネーミングくらいしないと一般受けはしないと思う。学術的価値あるものを如何に商業的価値に結びつけるかの問題だろう。知る人ぞ知る文化遺産の域で、一般観光客が来て観てがっかりするほどの知名度には達していないだろう。


現役時代のこと。博物館明治村を担当していた友人が博物館評議員の学識経験者と営利を目的とする会社の板挟みで頭を痛めていたことを思い出す。反射炉もこれと似た問題を抱えているだろう。日本で唯一漢字とひらがなを組み合わせたユニークな市名「伊豆の国」市出身のジャンプロさん、くにへ帰ってひと肌脱いだらどうだろう?韮山反射炉を称号にふさわしい観光資源にするために。