蓮の花あれこれ


東海地方は豪雨に見舞われなかった代わりに、このところ異常高温気象に襲われているとでも言おうか。毎日の高温ランク上位は岐阜県、愛知県の市町ばかりだ。きょうもまた猛暑日だ。



「にごりにもしまぬ蓮の花みればわれも心ぞ清くなりゆく」藤原教長(のりなが)


けさの中日新聞「今週のことば」欄に載っていた。蓮は泥水に育つが、泥の濁りに染まらない清らかな花を咲かせる。蓮の花を見ると心が浄化するのを覚えるなァ。暗い出来事ばかりが続く昨近、心が洗われるような一首だ。三好ヶ丘駅の北西にある蓮田に蓮の写真を撮りに行こうとしたが、暑さとぎっくり腰で断念。3〜5年前の写真が代打出場。




「今週のことば」の筆者は解説する。仏教では極楽世界に蓮の花が咲き満ちている。教長たちは、自分が蓮の花床(かしょう、または花托ともいう)に正座したつもりで、花が開いて行く様、閉じて行く様を見て仏法を一心に思念したという。


蓮の花は初日は壺咲きといって、ためらいがちに咲く。二日目は椀咲きといって、なお迷いながら咲く。三日目には全開して蜂の巣のような花床(花托)が現れる。すると「迷い」にたとえられた花びらが一ひら二ひらと散りはじめる。つまり慈悲心に目覚め、悟りを開いたのだ。これを発心(ほっしん)という。三日目には悟りを開き発心咲きとなる。そして四日目に散り果てる。



信仰心のないクマさんにとって、興味がもてるのは<蓮の花を見ると心が浄化するのを覚えるなァ。>までだ。その先の仏法を思念したり、悟りを開くことはどうでもいいことだ。それより、植物観察として、 朝早く開き、昼頃に徐々に閉じる。花の開閉を3〜4日繰り返したあと、花びらが散る。

      
1日目は6時頃開花1cmほど口をひらいてすぐ閉じる。2日目5時頃開花一番きれいなとき。12時頃閉じる。3日目3時頃開花。その日はそのまま開きっぱなし。4日目花びらは開きっぱなし。夕方頃にかけて花びらがバラバラと散る。こういう観察の方が興味がある。これでは、「心頭を滅却すれば猛暑日もまた涼し」とはならず、エアコンの世話になりっぱなしだ。