昭和は遠くになりにけり


師走の夏日から”なみの陽気”が戻った。今にも降り出しそうな重たい雲。そぞろ寒さを感じる部屋の中だ。予報では夕方からは降り出すようだ。きのう12月5日の誕生日の花はツワブキラジオ深夜便が伝えていた。ご近所さんの庭でも今頃見かける。万博公園の日本庭園の渓流の岩場で咲いている風景や藤岡・緑化センターの木立の中で咲いている様が印象的だ。


葉がフキに似ている。「つや」のある葉から”ツヤブキ”。それが変化してツワブキになったのが名前の由来。美しい黄色の花が10月中旬から12月初めにかけて咲く。菊科ツワブキ




冬瓜(トウガン)は夏から秋にかけて収穫しても、冷暗所で保管すれば冬まで日持ちすることから冬瓜と呼ばれているそうだ。実は大きいもので短径30 cm、長径80 cm程度にもなる。生ごみの中に冬瓜の種が入っていると、いつの間にか冬瓜が出来てしまうほどだ。


小家族時代の今、こんな大きいものがひと夏に5個も6個も収穫出来ても始末に負えないのだ。わが周囲では、冬瓜を持て余している人がかなりの数いる。休耕田に冬瓜がゴロゴロしているのだ。わが家でもこの2.3年栽培しなくても、生ごみから出て来て 持て余しているのが実情だ。



11年前の2007年12月8日のクマさんの日記。こんなことが書いてあった。

3〜4日前の散歩のこと。農道の脇に冬瓜が6〜7個並んで張り紙が置いてあった。(写真:上左)張り紙には「よろしかったら ご自由お持ちください」と書いてあった。(写真:上右)きのう、通りがかったら3個になっていた。 きょうはなくなっていた。 そして老夫婦が畑を耕していた。       


老夫婦に冬瓜のことを問いかけると、こんな答えが帰ってきた。「3人の子供が近くに住んでいるが、なかなか家に寄り付いてくれない。野菜を収穫したから取りに来いと連絡してもなんだ、かんだと理由を付けて来ない。寂しいことだ。冬瓜も取りに来ないので、捨てるのももったいないと思い誰か貰ってくれる人がいたらと思い・・・。貰ってくれる人がいて捨てなくて済んだ。ほんとによかった。


「10年一昔」とはよく言ったものだ。11年歳月は、「捨てるのももったいない」と思う昭和の心の持ち主をどこかに追いやってしまったのだ。平成もあと半年足らずとなり、昭和は遠くににりにけり。