女性差別とコミュニケーション力


昨夜の予報では、名古屋・京都では雪がふるかもしれない。的中はしなかったが、雲が広がり冷たい風の一日。


13年前の愛知万博のときだ。有名パビリオンの前では長蛇の列。その列を観察してみると、女性同士は初対面でもすぐ仲良しになり待ち時間を楽しんでいる。男性は不愉快顔で待ち時間を忍んでいる。平日の昼間ではこんな風景に集約される。女性のたくましさというか、コミュニケーション力の凄さに感じ入った思い出がある。


東京医科大学での不正入試問題をきっかけに、全国の大学で女子や浪人の医学部受験生が不利に扱われたことが社会問題になった。先週だったか先々週に順天堂大学は弁解の記者会見をした。その言い訳とは「面接では女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子が不利になるので救う必要がある」である。



なぜ、女子が不利に扱われるのか。順天堂大学の弁解は、かえって批判の声を増幅させる結果になった。患者と接する医師にとって「コミュニケーション力」は大切な能力だ。それが高い女子を排除する、つまり差別を堂々と記者会見を開いて認めたのだ。井戸端会議でのおしゃべり能力も職業上のコミュニケション力も、ミソもクソも一緒にした最高学府の記者会見はお粗末この上ない。


ところで、女子のコミュニケーション力が男子より高いというのは、本当か。学問的な裏付けはない。というのが、各紙・誌の論調のようだ。女子がなぜ不利に扱われるか。医学部の場合は大体、入学=附属病院就職のパターンだろう。経営上、離職率の高い女子より男子を選ぶのがこれまでの慣行だろう。今般国際的に通用しないこの慣行が明るみになった。


世界経済フォーラム」が先ごろ発表した「男女格差報告」が先週のニュースであった。日本は149カ国中110位、先進7カ国で最下位とのことだ。医学部入試をみてもやはり、社会に潜む女性差別の存在を認めざるを得ない。調査項目の中で特に成績が悪いのが女性の政治参加だ。なんと125位。安倍政権の掲げた「女性の活躍」どうなってしまったの。

※ 画像は古代アンデス文明展 展示物