第三次交通戦争

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二日続きの梅雨の中休み。でも、きょうは夜には雨の予報で午後からは雲行きが怪しい。梅雨入りした頃から、今年もわが家のウッドデッキの床下では急にドクダミの花が賑やかになった。一日中日陰になっている床下はドクダミの繁殖に一番適している場所のようだ。

 

茎のてっぺんに4枚の白い花びらみたいなものがあるが、これは花弁ではなく総苞(そうほう)といって蕾(つぼみ)を包むように葉が変形したものだそうだ。花は総苞に囲まれた棒状のところに淡黄色の小花が密生している。花は美しいが強い臭気と繁殖力が強いことで嫌われている。

 

しかし、藥効があって重宝されている面も侮れない。10種類の効能があることから「十藥(じゅうやく)」とも言われているほどだ。葉を乾燥させた毒だみ茶は山間地の道の駅などで売られている。わが家では、棒状の花の部分を焼酎に漬けて虫刺されの薬にしていたことがある。

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高度成長に沸いた先の64年の東京五輪(昭和39年)以降、交通事故死者数が日清戦争での戦死者数(2年間で約1万7千人)を上回る勢いで増加した状況が「戦争状態」であるとして交通戦争と言われた。その後一旦減少に転じたが、バブル景気に沸いた88年(昭和63年)には年間1万人超の交通事故死者数を出して第二次交通戦争と言われた。

 

昨近の高齢ドライバーによる暴走事故の報道ぶりから、まさに第三次交通戦争に突入の感がある。高齢ドライバー対策を求める世論の高まりに政府も腰を上げたことが今週報道された。75歳以上を対象に安全運転支援システム搭載車に限定して運転を認める新運転免許制度を創設するとのことだ。

 

こんな背景がある中できのうは、まさにその交通戦争の渦中にあることを実感する出来事花盛りの一日だった。自分のことでいうと、運転免許の高齢者講習があった。この講習確か3回目だと思うが、夜間視力、動体視力の衰えを思い知らされた。走行検査では車庫入れで苦戦。これでもオレはかつては二種免許(10数年前に放棄)を持っていたかと情けなくなる。かといって免許返納の気はなし。お抱え運転手のいる杉良太郎とは違うから。

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地元のことで云うと、きのうはトヨタ自動車株主総会があった。報道によると株主からこんな発言。「高齢者の運転する車が暴走して事故を起こしている。事故を起こしている車はプリウスが多いようだが、大丈夫か」第三次戦争中ならでは発言だ。

 

全国レベルのことでいうと、この戦争の発端となったといっても過言でない東京・池袋での事故の実況見分がきのう行われた。この高齢ドライバーは、車に欠陥があったから自分は戦犯でないと頑張っていたようだが、検証してみて検察送りとなることが決まったようだ。

 

戦時下の真っただ中の出来事で思ったこと。最前線であるはずの高齢者講習の講師に危機感がない。極めて事務的だ。警察から委託された自動車学校の職員と警官ではこの戦争に対する温度差が違う。                           

 

もう一点。安全運転支援システム搭載車とか75歳以上の新免許制度とかけっこうなことだが、もう少し広い視野からの視点に立った規制緩和とか新制度を取り入れてもらいたいものだ。たとえば、過疎地の日常生活対策としての超小型電気自動車の普及策。この車、現在一人乗りは公道を走行できるが、二人乗りは不可だという。こういうことの積み重ねが、回り道かもしれないが、戦火を下火にして平和にする近道かもしれない。