「即位の礼」の日の論調に思う
きのうの朝のことだ。雨上がりの秋晴れの即位の礼の日。往来がいやに静かでないか!?カレンダーを見ても赤字になってない。サンデー毎日の家庭では、新聞やテレビを見て初めてその理由がわかつたのではないだろうか。きょうは「即位の礼」の日で、今年限りのハッピーチューズデイ。お城も操業なしで、城下町は静寂の朝を迎えた。
わが家の向かいの緑地帯の片隅の一角にある雑木林で、ピラカンサの真っ赤な実がたわわに実り、ひときわ目立つ時季になった。一方、わが家の門の前の植え込みのランタナがまだ咲いている。5月の終わりに咲き始め、いまだに精彩を放ち12月の初め頃まで咲いている。
あす、10月24日は二十四節気の「霜降」。秋から冬への季節の変わり目で、朝晩には気温がぐっと下がり、ところによっては霜が降りる頃だ。秋から冬が見頃のピラカンサの実、初夏から晩秋まで見頃のランタナの花。赤い花と実の競演の時季だ。
「即位の礼」の日、メディアはお祝いムード一色だ。そんな中、共産党機関紙「赤旗」と朝日新聞の論調は案の定手厳しい。
「赤旗」
政府は22日を「国民こぞって祝う」として休日にした。さらに11月14日には大嘗祭(だいじょうさい)を27億円もの公費を投じて行おうとしている。これらのことは、憲法の国民主権原理、政教分離の原則に背くものである。
朝日「社説」
儀式の中で、天孫降臨神話に由来する高御座(たかみくら)に陛下が立ち、国民の代表である三権の長を見下ろすことや三種の神器が脇に置かれていることに、国民主権や政教分離原則にそぐわないとの指摘があったにもかかわらず政府は無視している。
秋篠宮さまが昨秋の会見で「宗教色の強い儀式を国費で賄うことが適当か」と疑問を投げかけられた。政府は閣議了解しているというだけで真摯に向き合うことはなかった。 政治は怠慢・不作為を決め込んだ。華やかな式典の陰で多くの課題を残した。
右から左までいろんな意見があるのはわかる。 こんな目出度い時だ。そう、カタイこというなよ。これが一般人の声でないだろうか。
日経新聞 「春秋」欄
台風19号の傷が癒えない中、政府は予定していた祝賀パレードを延期した。陛下のお気持ちに沿う判断だろう。「(水害などで)最も大きく影響を受けるのは、女性や子供、お年寄りや障害のある人たちなど、いわゆる社会的に弱い立場にある人々です」。陛下は昨年、「世界水フォーラム」の講演で、こう述べられた。台風19号の犠牲者の多くは60歳以上だった。さぞご心痛だろう。パレードなき即位礼に、令和の象徴像を感じた。
政府を批判することを社是とする新聞社が「即位の礼」の日に即位の主人公をさしおいて、政府批判を重ねることは主人公に対して失礼ではないかとさえ思える。その点、日経は主人公に焦点を合わせて誰もが頷ける内容だ。