奥三河から世界に セリサイト鉱山


光り輝く日差しだが、強い冷たい風に体感温度も半減だ。

女性が化粧に使うファンデーション、これは鉱山で採れる鉱物から作られているそうだ。そのファンデーションの原料として使われる鉱物が「セリサイト」、別名「絹雲母(きぬうんも)」と呼ばれるもの。この化粧品用「セリサイト」を日本で唯一採掘している場所が奥三河東栄町の三信鉱工という鉱山。


この鉱山のセリサイトは品質が良く、国内外のほとんどの化粧品メーカーへ供給しており、その供給量は世界トップクラスだそうだ。そんなことが、10日ほど前の朝日新聞デジタル版に載っていた。流し読みしただけで、今になって興味が沸いたのでネットでこの鉱山のことを調べた。同じ三河に住みながら、このような世界を相手に商いをしている企業の存在を知らなかったとは・・・。


採掘中の鉱山内を見学し、その鉱山で採掘された材料を使って自分のためのファンデーションを作る「ビューティーツーリズム」が行われており、そのレポートが載っていた。以下その一部の転載だ。


鉱山の入り口には神様が祀られている。鉱山は昔から女性の神様がいると考えられており、仕事で入るのは男にかぎられていた。女性用の化粧品の原料の採掘現場ということで、ここでは女性も入れるように、神様に二礼二拍手一礼をしてから入る。


中には小さなランプが点々とついている程度で、まさに洞窟。鉄だと錆びたりして修復が難しいとのことで、木枠で天井や壁が補強されている。2列になると道が塞がるくらいの狭さ。


セリサイトがある場所を探しながら手作業で掘って行く。採掘したセリサイトはトロッコにのせて手押しで運ぶ。1台当たり1トンほどの重さがある。掘るのも運ぶのも、足場をつくるのも、穴を補強するのも、すべて手作業。



鉱山の探検後は、車で15分くらいの距離にある廃校となった小学校を利用した地域交流や活性のフリースペースとして活用されている「のき山学校」へ。教室の1つを使って、ミネラルファンデーション作り。



セリサイトに乾燥粘土や着色剤を混ぜ合わせ細かい粒子にすり潰してファンデーションの出来上がり。国内唯一の鉱山の探検とミネラルファンデーションつくりの企画は、東栄町観光まちつくり協会のアイディア。担当者は地域おこし協力隊として和歌山から東栄町に移住し地域活性に取り組んでいる女性とのことだ。


鉱山探検とファンデーションつくり体検は毎月第2土曜開催。探検・体験セット料金で6千円。鉱山探検だけで、3千円のコースも設けてくれたらいいのに・・・。と思った。