終了ご挨拶

きょう2020年4月12日、開設から3761日目のカキコをもちまして「クマさんの日記」は終了いたします。

 

思いおこせば、足掛け15年。生涯学習講座「ブログをはじめよう」で始めた「クマさんの日記」。ボケ防止を兼ねた自分の「忘備録」としてもってこいのお遊びでした。。コメントを寄せていただいたり、覗いて時々声をかけていただく方があってこそ、それが励みになって「ボケ防止 のはずが今や 生き甲斐に」となり、アクセス回数が97万回ともなると「ボケ防止 のはずが今や 意地でやり」となりました。

 

昨年末以来、心疾患との闘いで身も心も疲れ果て、気力を失ったので終了を決意しました。皆様、長い間のお付き合いどうもありがとうございました。

さまざまなこと思ひ出す桜かな

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退院後3週間後の主治医の検診では、容体安定しているとのことだった。もっと食べて、体力をつけることを強調された。あと3週間経過を観察して今後の方針を決めるとのことだ。先般の入院中に耳や喉の調子が思わしくないので、耳鼻科にも病床から通っていた。

 

耳鼻科の先生は喉を鍛えるトレーニングをするよう勧めてくれる。飲み込みがしにくくなると食べるのに時間がかかり、食べるのが億劫になったり食欲不振を招く。すると栄養不足になり脱水をおこす。さらに、身体のエネルギーが不足し,体力低下、免疫力低下につながる。と熱っぽく語る。

 

 両医師の卓越した知見や技術も、その守備範囲の中で活かされているだけで、総合力が機能していない気がする。組織横断的に「痛み診療科」の診療科目があるように、もう少し患者に寄り添った配慮があるといいと思った。

 
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入院していた病院は豊田厚生病院。旧海軍飛行場の滑走路跡にそびえ立っている。目と鼻の先にある愛知少年院は旧海軍の官舎・兵舎跡だ。昭和20年にここから神風特攻隊が3回飛び立ち、若い命が桜の如くはかなく散ったそうだ。樹齢70年以上の桜がおよそ300本。100本は豊田市の名木に指定されている。

 

毎年4月第一土曜に一般観桜会があるが、今年はおそらく中止だろう。写真は道路沿いのサクラ並木。病院の帰りに立ち寄った。

 

                                              さまざまなこと思ひ出す桜かな  芭蕉

 

クマさんはこんなことを思いながら桜をながめていたが、芭蕉さんはもっと高尚なことを思い巡らせていたのだろう。

SFまがい、新型ウィルスの蔓延

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新型コロナウィルスの蔓延は南極大陸を除くすべての大陸に広がった。このところのテレビのニュースを見ていると、まるでSF映画でも見ているようだ。こんな呑気なことを言ってる自分にもいつ襲いかかって来てもおかしくない状況なのに他人事としか思えない。平和ボケとはこんなことだろう。

 

さらに拍車がかかるのは陰謀論が飛び交うことだ。ウィルスの震源地の武漢には中国で最高レベルのウィルス研究施設がある。この施設の建設に協力したフランスが、途中で手を引いた。内容を知ったからではないか。

 

一方、中国外務省の幹部がSNS武漢にウィルスを持ちこんだのは「米軍かもしれない」と書き込んだという。ウィルスの「中国起源説」の火消しに躍起になっているのは、ますますあやしい。いやはや、中国という国は誠に不可解な国だ。

「春めく」季節の花ウォッチング

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季節を先取したような春うららかな陽気になった。足腰を鍛えるにはもってこいの日と娘に誘われ、豊田・西山公園に足を運んだ。道中の桜の名所、豊田高専の桜並木は“蕾固し”と云った状態で遠目には冬枯れと変わりないほどだ。

 

公園内のソメイヨシノも同じような状態だ。ただ、河津桜はもうすっかり葉桜で、その隣の二本は今が満開。“春めく”と称する早咲き種がひときわ目を引いた。春めいて来た日に“春めく”が満開。何とタイミングの良いことだ。

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 満開と云えば、その公園への道すがら、こんなにも多量の真っ白なダイコンの花の満開を見たことがなかった。テニスコートが二面ほどとれる広さの畑、かつては葉タバコを栽培していた畑だ。

 

純白または薄い紫色の花で、冬に収穫するはずの大根を収穫せず、もうトウが立ってもおかしくないこの時期まで放置されているということは、種を採るためだろうか?それとも耕筰放棄地にしておくと税金が高くなるための税対策か?いやいや、そうでなくて人手不足でついつい・・か?

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街暮らしで、ダイコンの花なんて見たこともない娘には、季節を先取りしたような陽気の中で、珍しい光景に出会ってさぞ結構な親孝行だったろう。

「毎年よ、彼岸の入りに寒いのは」 子規

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朝は6時前に夜が明け、夕は6時過ぎまで明るくなった。そう、きょうは彼岸の中日、春分の日。桜が満開になってもおかしくない日や「春は名のみの風の寒さ」と愚痴りたくなるような日を繰り返してようやくたどり着いた感のきょうの彼岸の中日だ。この頃になると思い出すのが、正岡子規の句だ。

                「毎年よ、彼岸の入りに寒いのは」 

子規は、春の彼岸を迎える度に、母を偲び、供養の手向けをしてシンプルながら母が残した言葉、なんだかしんみりと心にしみる。          

                                                

                                                           1月から2月にかけて、多治見の仲間のブログで素人には難解な俳句の論争(当事者には失礼と思うが)で、リングにタオルが投げられる始末があった。クマさんは傍観者だったが、普通の事を普通に「五七五」にすれば立派な俳句ができるのに何をグタグタと・・・。

そんな心境だった。

              「

 ゴルフで止まっているボールを打つのに何が難しいというのと同じで普通の事を普通に「五七五」にするのもそう簡単ではなさそうだ。やはり、正岡子規は天才俳人だ。 

                    

とんぷく

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パンデミック世界保健機関(WHO)が宣言した。株価は大きく下落し、各国の渡航制限で人の出入りがとどこおる。世界的な規模で経済の基礎体力が奪われるうえ、スポーツや文化活動も中止が相次ぎ、世の中から感動やうるおいが消えゆく感だ。世界中のだれもが経験をしたことのない。そんなことにはお構いなく我が家の庭の草木は春の装いだ。

 

子どもの頃ことだ。富山の置き薬屋さんが家庭用の常備薬の入った箱を各家庭に置いて行き、翌年の同じ時期に訪れ使った薬の分を精算して行った。箱の中身はあまり記憶がないが、包帯やら、赤ちんなどもあった。石炭を薄っぺらくしたような、真っ黒な苦い胃薬もあった記憶だ。「とんぷく」という粉薬は風邪をひいたときや腹痛の時飲んだ。

 

それからおよそ70年。近代的な設備を誇る病院に入院して「とんぷく」にお目にかかったのは驚きだった。毎食前後の定期的に服用する薬の袋には「おくすり」と書いてある。便秘薬のような必要な時だけに服用する薬の袋には「とんぷく」と書いてある。ネット検索。薬を何回にも分けずに1回に飲むこと。発熱や痛みなどの症状が出た際に、薬を1回だけ飲むこと。また、その薬。1回服用する分を一包にしてある。頓服薬。とある。

 

日露戦争の時、兵隊に持たせた胃腸薬に「征露丸」と名付け、100年以上経ったいまでも「セイロガン」として健在の薬があるように、薬の業界は昔からの体質が今に息づいているのだろう。

 

塀の内と外

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♪春は名のみの風の寒さや  体力づくりにとウォーキングをぼちぼち始めたが、温室暮らしをしていた身には早春賦の歌詞が頭をよぎる。

 

病棟のスタッフステーションの向かいに6~7人が腰かけられるロビーがある。ある月曜日の午前、キャリーバッグを引いて来た5~6人の中高年男女が係員の説明を聞いている。やがてそれぞれの担当の看護師がやって来て病室へと案内する。

 

その光景ときたら団体旅行のバスがホテルに到着し、ロビーで係員の説明後ボーイや仲居さんに案内されて部屋に入って行く様に重なって見える。「病」という塀を境にしてその内と外では天と地ほど違うものだ。

 

塀の内の人達はロビーから病室に案内されている間の心境は「不安」だらけ、塀のそとの人達はこれから始まる豪華ディナーの「楽しい宵」への期待でいっぱい。塀の内と外での人生はこんなにも違うのだ。

 

塀伝いに歩いても、、間違っても絶対内側に落っこちるな。と他人は言う。不幸にも内側に落っこちたクマさん、自販機のコーヒーを手にして一日でも早い出所を思い描きながら新入りの入所風景を眺めるのだった。

 

                      3月2日 記