ガラ系おっさんは辛いよ


秋雨前線が居座り続けるおかげで週末から今日の週明けも雨続きだ。けさは、各地で今シーズンで一番の冷え込みだと昼のニュースが伝えていた。2階の窓から見る向かいの緑地帯の木々が、この2.3日の間にめっきり褐色を帯びてきた。それも、そのはずだ。きのうの麻雀では、今シーズン初めてストーブをつけた。秋も深まったはずだ。



最近、電車に乗って文庫本や新聞を読んでいる人にお目にかかることがめったにない。若い人はもちろん、初老と云えるような人でもスマホだ。たまに新聞を読んでいる人を見かけたら英字新聞を読んでやがる。こんな輩はきっとカッコづけだろう。学生時代、デイトに出かける時、カッコづけに岩波文庫なんかを持ち歩いていた奴なんかと同類だ。


きのう15日から1週間は新聞週間。来月3日の「文化の日」を挟んだ2週間は読書週間だ。新聞も出版も活字文化の代表メディアだ。それが、今減る一方の読者の引き留めに一生懸命だ。「・・週間」でアピールしていることで窺える。「新聞で 見分けるフェイク 知るファクト」今年の新聞週間の標語だ。新聞は「うそ」でない「真実」を伝えて欲しいものだ。



土曜日のニュースでやっていた。全国図書館大会に出席した大手出版社の社長が「図書館で文庫本の貸し出しはやめててほしい」と訴えていた。出版不況だから、せめて文庫本は自分で買ってほしいということだ。本屋の倅(せがれ)のクマさんはこのアピールに大いに同調する。


もともと古典や文芸作品が手軽に読めるのが文庫だったのだ。小学生のときから店の書架の本をきれいに並べることを手伝わされていたから、内外の作家とその作品名だけは、「門前の小僧習わぬ経を読む」式に良く憶えていた。ただ、読んだことはほとんどなかった。



年金生活者にとって、千円でおつりが来る文庫から世界が広がる。けっこうだ。ただ、おっさんには字が細かすぎて読み辛い。書籍のデジタル化も進み、スマホで小説も読めるようだ。新聞はおっさん対策だろう。各紙とも活字を大きくしている。そして、デジタル版を充実させている。いずれにしても、両業界とも生き残るには多難のようだ。


ガラ系携帯の年金暮らしのおっさんにとっても活字文化を享受するのに多難なことだ。活字が小さくて読み辛い難点はあるが、持ち運びやすい文庫が図書館で借りれなくなりそうだ。少ない年金の中からカネを出して買うことになりそうだ。電車の中で新聞を読めば、スマホのデジタル版で読めばいいのに、狭い座席で新聞広げ迷惑だの、ダサイなどと白い目で見られる。あぁ〜(本屋の倅といえども、過去のこと) ガラ系おっさんは辛いよ。