夏 秋 冬 同居


グランドいっぱいにキンモクセイの香りが漂う中でのきょうのグラウンドゴルフ。汗ばむ陽気で半袖姿が目立つ。連日の夏日で、これが10月も20日とはなかなか思えない景色だ。


キンモクセイのこの甘い香り、中高年にはあまり評判がよくないと聞く。その理由は、汲み取り式トイレが主流の頃、臭い消しのためトイレの近くに植えられることが多かった。その関係からトイレの芳香剤として使われ、キンモクセイの香りがするとトイレの臭いを連想するということらしい。けっこう、ナイーブな中高年がいるものだ。


そうそう、キンモクセイといえば6年前の今頃、中国の桂林へ行った。空港に降り立つとキンモクセイの香り。現地のカイドさんいわく。中国語では「桂」は木犀のことを指し「桂林」の地名は木犀の木がたくさんあることに由来する。色々なことを思い出させてくれるキンモクセイだ。


連日の夏日といっても、グランドの外の遊歩道の銀杏並木は黄葉し、バス通りの街路樹ナンキンハゼも紅葉し始めている。きょうの天気にいたっては、関東から西は夏日、北海道は雪。少しくらい気象が異常でも植物たちは、それに惑わされることなく、おおむね季節の移ろいに忠実だ。




ラジオ深夜便、きょうの誕生日の花はアキノキリンソウ。山地や丘陵部の日当たりのよい場所に生える。 草丈70から80cm。秋に黄色い小さな花をいっぱい咲かせる。別名泡立ち草。写真は昨年豊田・藤岡緑化センターで撮ったもの。


穏やかな秋晴れの夏日が続くが、気がつけば今度の日曜23日は暦の上では二十四節気のひとつ「霜降」だ。。東北地方や本州中部では霜が降りるようになり、この頃からすっかり秋も深まり、もみじや楓は紅葉する頃だ。近所の路傍の何の変哲もない草木も秋の色に彩られ始めている。


久しぶりに本屋をのぞく。年賀状のソフト本が、来年の日記が日めくりがうず高く平積みされている。本屋の中はすっかり師走の雰囲気だ。きょうプロ野球ドラフト会議。いっきにストーブリーグへ、冬に突入だ。


夏も秋も師走も同居のきょう、このごろ。老化した五感をよほど研ぎ澄まさないと”もののあはれ”に心が揺れることも遠のいて行くのではないかと心配だ。