自然の驚異


♪ 薫風かおる春五月 桜並木に佇めば・・・わが高校の生徒歌の出だしだ。この歌にぴったしの、まさに風薫る五月のすがすがしい日だ。庭では、八朔の花が咲き出して甘い香りが一面に漂っている。見上げれば、3週間ほど前には枝に葉もまばらな中で花を咲かせていたモミジ。(下の写真)そのモミジの木にはむせ返るような新緑が生い茂り、ところどころに赤い実が見え隠れしている。


モミジは竹とんぼのような形の赤い実(種)を付けている。竹とんぼのような赤い羽根状の茎元二つのふくらみの中にはモミジの種があるのだろう。竹とんぼのような羽の付いたのモミジの種は、風に乗り、遠くへ飛んで行けるようにうまく出来ているのだ。



モミジがヘリコプターの回転翼や竹とんぼからヒントを得たなんていうことは、逆立ちしたってあり得ない。逆に、人がモミジから学んだことは考えられる。自然界の驚異とはこういうことだろう。


そんなようなことが、まだある。家庭菜園の土手に2本あるサクランボの木。誰かが家から持ってきて植えたものだ。ここ3.4年毎年この季節になって赤い実が出来たと思っていると、一夜にして鳥に食い荒らされている。ところが、今年は豊作であるにもかかわらずまったく荒されてない。




きのうご近所さん達が手の届く範囲で収穫をしたようだ。写真は手の届かない高いところに残っているサクランボだ。手で採れないので写真で撮った。不味いから鳥が来ないかと思ってみたがそうでもないようだ。けさ食べたがけっこう甘い。ウォーキングのメンバーも異口同音にそう云っている。


これは自然界の驚異というよりは、むしろ自然界の異変だろう。いつもブロッコリーの葉がヒヨドリの被害に遭うが今年は極端に少ない。熊や猪が山に餌が少ないと里に下りてくる現象の逆の現象かもしれない。


自然界の驚異や異変に遭遇するために、何もガラパゴラス諸島や屋久島まで行かなくても、身の丈に合わせれば自分の目と鼻の先に、あるいは足下にころがっている。