ビジネスホテル型行動パターン

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穏やかな晴天で冬至の日の日没を見事に演出してくれたお天道様も、きょうの天皇誕生日は人民同様お休みのようだ。朝から今にも降り出しそうで、夕方前にはとうとう降り出した。


三好丘の冬の風物詩「切干大根」作りが今年も始まった。この風景には身を切るような寒風が似合いだが、穏やかな天気続きでミスマッチの感じだ。



先日の旅行。ベトナム航空機の欠航でセントレアの空港島内のビジネスホテルで一夜を明かす羽目となった。そのホテルの照明、デスク等の客室の設備は必要最小限で実にコンパクトにおさめられている。ベッドの下にトランクが入るようにするなどの工夫がなされている。


客室に備え付けてあるセーフティボックス、テレビ、冷蔵庫、加湿器付き湯沸しサーバー、ボディソープ、シャンプー、タオル、スリッパなどは無料で使用できる。宿泊するには文句のつけようがない。が、”遊び”というか”ゆとり”がなく、ホテルライフを楽しむには物足りない。それが、ビジネスホテルというものだと云えばそれまでのことだが・・・。



今でこそ、外国人の来日の数が増えて国内でも見かける風景だが、外国人の体感温度の幅が広いせいだろうか、外国ではコートを着た人とTシャツ短パンの人が並んで信号待ちしている光景をよくみかける。ハワイ・ホノルルのトロリーバスでは、運転手が運転しながら歌をうたう。カンボジャ・シェムリアップのオールドマーケットではハンモックで寝そべって店番をしている。


コートとTシャツが並んでいるいること、歌を唄いながら運転のバス運転手、ハンモックで店番これらの行動パターンは日本人の行動パターンではあり得ない。日本人は、他人からどう思われるかを第一に考える。そして他人様に迷惑のかかるような行動は許されないのだ。


日本では社会に生きる人々の行動がコントロールされているのだ。個人の行動の幅を狭めることで、社会としての効率や精度を上げている。とにかく他人様に迷惑をかけるなの精神だ。クマさんは思った。このホテルのコンセプトとしていることは、まさに日本人の行動パターンに通じるものではないだろうか。宿泊に必要な設備をコンパクトにおさめることで、ホテルとしての効率や精度を上げ客に迷惑をかけない。それなんだ。


戦後の復興期から高度成長期にはこうした行動パターンが功を奏してきた。いまや行動パターンも多様化した。身の丈に合うように適材適所に使い分けの時代といえるだろう。