正倉院展への思い


きのうの午後から降り出した雨はお昼ごろになってやっと上がり、午後には日差し。おかげで、グラウンドゴルフの例会は中止。59年前のきのう26日は伊勢湾台風、4年前のきょう27日は御嶽山の噴火と歴史に残るような惨事もわが記憶の中の出来事となっている。長生きしているといろんなことに遭遇するもんだ。


きのうのテレビのニュースで59年目を迎える伊勢湾台風のことを報じていた。カミさん、この台風の体験談をまた話し始めた。もう、何度聞いたことか。1週間前の日記で、さだまさし作詩・作曲の山口百恵のヒット曲「秋桜(コスモス)」の歌詞の中に認知症早期発見の手掛かりとなるキーワードがあることをカキコした。「♪何度も同じ話繰り返す」。長生きすると、一番身近なところで「もしや?」と早期発見。こんなことにも遭遇する。



昭和28年の秋、小学校の修学旅行は奈良、京都だった。ガリ版刷りの「修学旅行のしおり」の中で奈良東大寺正倉院のことが、なぜか今でも記憶に残っている。1200〜1300年もの昔、遠くペルシャやトルコから来た宝物が納めらていること。その倉庫の造りが高床式の校倉(あぜくら)造りで、湿度の変化に耐えられるようになっていること。そんなことに興味を惹かれたのだった。


今年で70回目となった奈良国立博物館正倉院展。長じて一度は見てみようと思いながら、特に大阪赴任時代だったら行く機会はあったのに、逃していた。喜寿を迎えて、小学生の時の念願がやっと叶えられることとなった。正倉院展見学バスツアーが豊田から出るのだ。11月3日の予約が取れた。見学するにあたって正倉院をおさらいして、わかったことがあった。



学校で習った正倉院は三角の木を組んだ「校倉(あぜくら)」造りによって、湿度の変化がもたらす宝物のダメージを防いでいる。ということだった。最近の研究で、校倉造りは組み合わせた三角の木が湿度の高低で伸縮することにより中の宝物のダメージを防いでいると云う説は間違いで、宝物の入っている唐櫃(からひつ)という容器がダメージを防いでいることがわかったそうだ。組み合わせた三角の木は屋根が重たすぎて伸縮が出来ない状態だったらしい。



正倉院の基本情報のおさらい。
1 正倉院の宝物は聖武天皇の生前の愛用品を東大寺に納めた倉庫。約9千点あり、天皇や貴族の生活用具、楽器、遊具やシルクロード諸国からの宝物等も含まれている。

2 外国製の宝物は、唐から遣唐使が持ち帰ったものや新羅(しらぎ)からの物は贈られたり、商人が運んで来たものもある。とりわけ、唐からのものは世界各地の文物がシルクロードを通じて渡って来た。