欧州の国際列車


あさって8日は暦の上では「立冬」というのに、きょうは夏日になってもおかしくない陽気だ。それでも、朝晩の冷え込みがあるのだろうか周囲の街路樹が随分色づいてきた。深まり行く秋を感じさせる木々の紅葉、黄葉、褐葉だ。



明け方の最低気温が6〜7℃位になると紅葉が始まり、日当たりがよく、気温の寒暖差が大きく、適度の湿気があると紅葉がきれいに進む。


紅葉するのはモミジ、カエデ、ナナカマド、ウルシ、ハゼ。黄葉するのはイチョウ、カツラ。褐葉するのはブナ、ミズナラケヤキクヌギなどだ。最低気温が10度以下になる日がまだ少なく、モミジ、カエデの燃えるような紅葉は、この地では今月下旬くらいだろう。10年後には紅葉の見ごろが12月になるかもしれない。






中日新聞夕刊連載の「テツ道のすゝめ」。10日ほど前に「欧州の国際列車」の記述があった。欧州には縦横無尽の鉄道ネットワークがあり、欧州鉄道旅行の魅力は国際列車乗車にある。列車に乗ったまま国境を越えるという体験は国内にいる限り実現できないこと。ぜひ列車による国境通過を体験してみることを薦めたい。とのことだった。


この連載読み物の筆者はドイツのベルリンからチェコプラハを経由してオーストリアのウィーンへ行く国際列車の乗車体験記を短くまとめていた。昨年欧州鉄道旅行した際、筆者とは逆コースでウィーンからベルリンまで国際列車に乗った。東京から広島の手前の福山あたりまで行く感じだ。



国際列車といっても、ロンドンからユーロスターでパリに行く時に空港と同じ出国手続きをする以外は、かつてのような国境でのパスポートチェックや荷物検査はなくなり、独特の情景は見られなくなったのだ。それでも、国境で乗務員は交代するし、車窓から見える家並みもお国柄が表れて微妙に異なる。以下はクマさんの日記のウィーン〜ベルリン間乗車記の抜粋。





日本の列車の時間の正確さには定評があるが、欧州ではあまりほめらられない。ウィーンからベルリンに移動するときのことだ。9時32分発のハンブルグ行きがウィーン駅を出発したのが何と11時20分。ただひたすら待つのみ。お詫びの放送があったとしてもドイツ語ではさっぱりわからない。


もっとひどいのは、この列車が突然プラハで打ち切り。プラハ発15時48分のベルリン行きに乗り換えろとドイツ語での放送。同じコンパートメントのオーストラリア人のおばさんが、乗換えだよと英語で教えてくれてやっとわかった。どのホームで待つのかもわからず右往左往だった。




4年前オーストリア第2の都市グラーツからウィーンまで列車に乗った時も、散々待たされ着いた列車が正規の列車より2時間前に到着するはずの列車だった。この列車はクロワチアのザブレグから来た列車だった。今回のウィーン駅でのハンブルグ行きはハンガリーから出た列車だった。こうしてみると、国際列車がひとつトラブルとなかなか小回りがきかず、遅れるのが常態化しているような気がする。


「国際列車」などといかにも旅情を誘うネーミングではあるが、一旦トラブルが起きると、いくらEUはひとつといっても、国が違えば言葉もお国柄も違うから、修復は簡単に行かないだろう。連載読み物の筆者の云うように、そんなに甘いことばかりでもないと付け加えさせていただきたい。