弁護士増員の弊害

mikawakinta632007-12-04

現役時代は別として、普通の市民の日常生活では弁護士などとはトンと関わりがない。しかし、プロ野球の選手の契約更改にも弁護士が入る時代で、アメリカ流の契約社会、訴訟社会になりつつあることは間違いない。
司法改革の一環として弁護士の数を増やす新司法試験制度ができて、ここ4〜5年は毎年合格率2〜3%で1000人から1400人だったものが、これからは毎年3000人ほどの合格者が出て弁護士になってゆくそうだ。


弁護士の友人が業界のウラ事情をまじえながらこうした状況を憂いてコミュニティー紙のコラム欄に投稿している。    その要旨

<弁護士は依頼人から訴訟依頼を受けると着手金40万円が入る。裁判で負けても「一生懸命やったけどダメでした」と言 えばそれで済む。
 弁護士には信用とプライドがあるし、業界での評判を何より大事にするから、たいがいの弁護士は「勝てそうにない事  件」はお引取り願っている。


 一生懸命やりますといって素人をだまして金をとることはわけもないことであるから、毎年3000人の弁護士増員とな れば、今後くいぶちのない弁護士は食うために何でもすることになり、弁護士の社会的信用は地に落ちよう。
 そして、肝心の裁判官は増員されることがない。


 徴兵制度のようなバカげた「裁判員制度」にアホな予算を使うくらいなら、裁判所の建物をもっと大増築して全国の裁判 官の数を増やさなければ司法改革はない。>


あうんの呼吸の風土、義理人情の浪花節社会から契約社会・訴訟社会への過渡期でこうした”ひずみ”はつきものでないかと思う。そんなことは彼も承知で書いていると思う。
それよりも、なによりも 普通の市民である我々は弁護士の厄介にならないよう生きることが肝心だ。