自然と心通わす

夕刊が名古屋で桜が開花したと報じていた。何でも観測史上3番目の早さの開花とか。あすは彼岸の中日、春分の日。昔からの季節感で云ったら彼岸の頃といえば「暖かな日和に桜の開花を待つ」ものだったが今年は「暖かな日和に桜の満開を待つ」に変わってしまったようだ。


いくらデジタル時代と云っても自然界は桜が開花したからといって手のひらを返すように一挙に春が来るわけでもなく、まだ冬の風情を感じさせる光景が顔をのぞかせる。

ミステリーツアー、今年は東方面だからてっきり東名を東に行くかと思い込んでいたら中央道を行くのではないか。箱根に行くのに裏から入ったのだった。自衛隊東富士演習場付近からの富士山。雪はまだ裾野まである。見渡す限りの枯野が広がる。明るい日差しに春を感じるが目に映る光景は冬の気配。

                                

名古屋でソメイヨシノが開花したといっても、早咲きで有名な伊豆の河津桜はもうとっくに青い葉桜だった。ここ伊豆半島の最南端石廊崎の漁港から灯台に登って行く坂道に咲く桜も種類はわからないが、半分葉桜。


季節が刻々と移って行く様子が、自然の風物のいずれにも現れて、その一つ一つに趣が深い。 日本人ならでは味わえない「自然と心通わす喜び」だろう。