桜の鑑賞法

mikawakinta632009-04-09


初夏を思わせるような一日。どうりで、今年初の夏日を記録。
きょうの朝刊、中日春秋。徒然草で「桜は、何も目で見なければならないものでもない。家にいて心に花を思い描けばよい。それで深い情趣が味わえる。」と述べられているように出かけずに桜を楽しむ”鑑賞法”もあると説いていた。

また、ある作家が「桜の名所へ行くだけが花見ではありません。マンションのベランダから近所の桜を見渡すのも、電車の窓から沿線の桜を眺めるのも現代の花見です。」と書いていたのを読んだ記憶がある。だが、凡人にはやっぱり”かぶりつきでのライブ”が一番いい。

 

三好丘丘陵地の牧場跡地の周囲に何本もあるオオシマサクラのうち一番大きいもの。緑化センターにあったオオシマサクラは屋内で育てられていたが、こちらは自然のなかで育っている。樹高5m近くはある。花は葉と同時に開き新緑の緑と花の白さが混じりあっている。 真っ青な空に真っ白な一筋の飛行機雲、その下にまるで雪をかぶったような真っ白な花。
牧草地に腰を下ろし、水分補給をしながら眺めるこの景色。やはり、”かぶりつきのライブ”がいい。


兼好法師徒然草で言っているように心に花を思い描けるような感性がない現代の凡人はネットでワンクリック花見になる始末。これも出かけず桜を楽しむ”鑑賞法”のひとつか。

 

先の東谷山にウコン桜があった。案内板によると、ソメイヨシノより遅めの4月中旬〜下旬に開花。淡黄緑色の花が咲く。終わり頃には淡桃色になる。4月の初めだから左側写真の姿だった。現代の凡人、これから咲くであろう花を思い描き、深い情趣を味わうよりワンクリックで花を咲かせた方が手っ取り早い。(写真右)これでは、”もののあはれ”を論ずる資格がない。


<きょうの一枚> ものぐさ夫婦の花壇  自宅  4月9日

三好丘へ越してきた10数年前は互いに元気で庭の手入れに精を出していたが、年とともに元来がものぐさなふたり。
庭の大半は野菜畑になり、残った花壇は一番手のかからないノースポールだらけ。こぼれ種のリナリアと置き忘れ球根のチュウリップが花を添えている。