映画「沈まぬ太陽」

mikawakinta632009-10-18

山崎豊子原作の映画「沈まぬ太陽」の試写会を名古屋で見てきた。渡辺謙主演。日本航空(JAL)をモデルに昭和60年の日航御巣鷹山墜落事故を軸に労使紛争、経営陣の内紛を描き、その中で企業の不条理に翻弄されても絶対に諦めなかった渡辺謙演じる元労働組合委員長の仕事、家族、人生を描いている。


40年のサラリーマン生活の大半をこの映画で描かれているような労使問題に明け暮れた自分に重なる部分があり身につまされる思いで見入った。第2組合の結成、組合同士のいがみあい、組合を踏み台にして出世した者、正義を貫き通して上司と衝突左遷となった者、映画を見ながら過去のことが走馬灯のようにぐるぐると回った。


今、時の話題となって「沈まぬ太陽」どころか沈みそうになっているJAL、まことにタイミングよくこの映画が24日から公開される。「山崎豊子の小説をもとに映画化したフィクションです。登場人物、団体はすべて架空のものです。」と断り書きがあるものの、誰が見てもJALを描いている。人間ドラマの部分はフィクションだろうが、ストーリーの大筋の展開はノンフィクションだろう。国策会社として設立された当時からのウミがいまだに出し切れてないことがよくわかる。


途中10分の休憩がある3時間半の大作だが、長いとは全く感じない。人間ドラマとして見るのもよし、社会派セミドキュメンタリーとして見るのもよし。