言葉の使い方で心は動く

公民館管理の当番日。ぬくもりのある日差しを浴びながら高空から降ってくる葉が公民館の敷地一面を埋め尽くす。掃いても、掃いてもすぐ積もる。こんな日の当番は難儀なことだ。

 11/23 三好丘
 毎日のウォーキングコースにも見ごたえのある紅葉がある。この並木の先にはワイナリーがある。


「いつも、きれいに使ってくれてありがとう。」とトイレに張り紙がしてあるのを時々見かける。大抵の人は「きれいに使いましょう。」と張り紙されるより前者の方がきれいに使おうという気になるのではないかと思う。


ちょっとした言葉の使い方ひとつで人の心理は微妙に動かされるものだ。先日、読売新聞のコラム欄にこんな記事があった。埼玉県内の銀行で振り込め詐欺防止のポスターが張り出され、99歳の詩人の一編の詩が載っているそうだ。


今 あなたの/している事を知ったら/あなたの家族は/どう思うかしら/子供の頃/あなたには/やさしい心があった筈(はず)/風の囁(ささや)きも/聞こえた筈よ/弱い人たちを/苦しめないで/その知恵を/良い事に使ってください〉


トイレを使うときの張り紙の心理と同様、この底なしの寛容さに心を揺らす“振り込め詐欺犯さん”が、100人に1人でもいるかもしれない。