カオス(混沌)の中を生き抜くトルコ


きのう夕方から名古屋に出かけた。電車の中やターミナルで白のセーラー服やカッターシャツ姿の高校生がひときわ目立つ。衣替えだ。三好の野山だけでなく都会でも季節の移ろいを実感。庭のレースフラワーが一段と白さを増してきた。その名の通りレースらしくなってきた。




イスタンブールで現地ガイドの常套句。「目的地までの時間は30分から3時間。」いかに交通渋滞がひどいかということだ。皆が交通ルールを守れば幾分でも解消の余地はあるだろうに。都会での道路交通事情は中国のそれと全く同じだ。イスタンブールの道路事情に接して2020年の五輪、これなら東京は大丈夫だと思った。北京の場合は一党独裁支配の国だから、いざとなってやってしまった。イスタンブールはそんな訳には行かないだろう。


ところが、たった8日間の滞在とはいえトルコという国に接してみるとなかなかのものだ。東京も安閑としていられない。一 緒に旅行に参加されたNさんがブログでうまい表現をされていた。トルコ、とりわけイスタンブールはカオス(混沌さ)の街だと。確かにそのとおり。そのカオスをうまく使い分けている。いわば、世渡り上手だ。そんなところに東京が安閑としておれない理由があるように思われる。



つまり、トルコの国土の95%、人口の90%がアジアにあるというのにトルコ政府は自国を欧州の一員としている。もちろん、NATOにも加盟。EUには加盟申請中。現地ガイドはうそぶく。今の財政状況からすると、そのうちにEUの方から加盟してくれ頭を下げてくると。日本では、トルコは中東の国として扱われている。(ネットでみるとどこの旅行社もトルコは中東に分類されている)。                                        


このように、欧州に深いかかわりを持ちながらイスラムの国で、アラブとは一線を画している。政教分離で休日は土日。警察、軍隊ではラマダンもない。2月に行ったマレーシアではほぼ100%に近い女性がスカーフをしていた。観光で女性がモスクに見学に行くと、入口で頭からすっぽりの衣装を着用させられた。イスタンブールではスカーフの女性はクアラルンプールと比べものならないほど少ない。この辺が「モダンイスラム国家」と言われる所以だろう。
 

中東に民主化運動が吹き荒れる中、欧州とアジアの狭間で安定成長を続けるトルコ。混沌としているイスラム教を上手くコントロールして、欧州・アジア・中東の混沌の中で成長を続けている故に米国・ロシア・EUがトルコにすり寄ってきているように見える。先の国連総会で野田総理オバマ大統領と30分の会談。トルコの首相は1時間半だったという。うぅ〜ん、侮れない存在だトルコ。混沌を上手く使い分けしているように思える。