町の本屋さん


甲子園が終わり、ツクツクボウシの鳴き声がひときわにぎやかになった。日中の厳しい暑さはあるものの、夏の終わりを感じさせる雰囲気が周囲に漂ってきた。丘陵地にあるヒマワリ畑が象徴的だ。ジャイアンツにマジックが点灯してしまったドラファンもまたこのヒマワリの気分だ。


きょうの新聞に出ていた。いま全国の書店は1万4700店。10年前には2万店あったという。出版不況が背景にあるうえ、コンビニやネット書店が隆盛している影響が大きい。町の本屋さんが次々に町から消えてゆく。自分の実家が昭和3年開業の町の本屋で、長兄が2代目でやっていたが子供は継ぐ気がなく、去年の夏に廃業したから余計身近に感じる。


町の駄菓子屋が子どもたちのサロンであったように、駅前の本屋は列車待ちの学生たちの立ち読み場所であり、先生や本好きのおとなのサロンでもあった。それだけに、町の駄菓子屋さんとか町の本屋さんという言葉には、濃密な響きがある。


町の駄菓子屋さんが今や消え去ってしまった。それと同じ運命を町の本屋さん辿ろうとしている。何かとても大切なものをなくしつつあるような気がする。