なりすまし事件


秋分から2週間以上も経った。月末の台風17号が去った後は高く晴れ上がった空、爽やかな澄んだ天気が続く。ウチのすぐ下の雑木林の萩が盛りだ。萩は早いものは夏前から咲いているものもあるが、クサカンムリに秋の字のごとく今咲いているものが正統派でないだろうか。


萩を見るたびに思い出すのが、仙台銘菓「萩の月」。学生時代、仙台の友人が帰省の度みやげに持って来てくれた。あのカスタードの食感。それに、1個毎に昔の石鹸が入っているような箱とそこに描かれた美人画。これを食べたら誰しも「花より、この菓子」と思うだろう。



萩の月」6個入りが1箱千円と新聞のチラシに入った。ご近所さん3人からそれぞれ千円を預かってクマさんは自分の用を兼ねて買いに行った。3箱まとめ買いすると2千5百円だった。ご近所さんにその旨告げて百円づつお返しした。正直にお金まで返してもらってと大変感謝された。残りの2百円はクマさんが駄賃にもらった。


これは、クマさんの善人なりすまし事件。もちろんフィクション。3箱2千5百円ということは1箱833円だから、ご近所さんには167円づつ返さなければならない。いかにも善人らしく百円返すことにより、もらう方は何の疑問も持たなくなる。このあたりが詐欺の手口の第一歩でないだろうか。


同じなりすまし事件でも、最近マスコミを賑わしているパソコン遠隔操作による脅迫文書送りつけ事件は気味が悪い。パソコンにまで非武装中立を唱える馬鹿はいないだろう。