安全性・利便性よしあし


日中は晴れ間が広がり、窓際で日向ぼっこしながら新聞を読んでいるとまさに小春日和の感。夕方からは雲が広がり予報通り下り坂の気配。


その新聞でこんな記事が目を引いた。車のアクセルとブレーキを踏み間違い事故が年間7千件も起き、後方に急発進して衝突する事故がその6割を占めている。トヨタは他メーカーに先駆け後退時にも対応する安全技術を公開したそうだ。超音波で後方の障害物を認識して警報を鳴らし、さらに自動でブレーキをかける。安全装置が働いて後方の障害物の約20cm手前で停車させるという。


車の安全性の向上は著しい。自動ブレーキは前方の障害物に対しても当然開発されている。まぶたの動きや、ハンドルを握る握力の変化から居眠りを検知する装置も開発されている。これだけ至れり尽くせりの安全装置が車両に装備されてくると「安全性が増したことで、運転者の安全意識も変わってくる」のではないかと心配になる。


現に自分も含めて多くの人がワープロのおかげで(せいで)漢字が書けなくなっている。電卓のおかげ(せいで)暗算能力がまるきしダメになっている。よく考えてみれば、漢字や暗算は「ダメになった。しゃーない。」で済むが自分の命のみならず他人の命にも関わる「安全意識」は何にも優先すると心得ておかねばなるまい。そして、至れり尽くせりの安全装置はあくまで第二義的なもので一種の保険と心得るべきでないだろうか。