イタリア旅行こぼれ話


初夏を思わせる日射しだ。グラウンドゴルフに打ち興じるグランドが眩しい。爽やかな風が止むとプレイしていても汗ばむ陽気だ。いっきに夏日の様相だ。それも、そのはず。夜のニュースで今年初めての夏日だったとか。つい2週間ほど前のイタリア旅行での乗り継ぎ地フィンランドヘルシンキ。ここからフィンランド湾をロシアのサンクトペテルブルグ方面に向かった上空から眺める流氷が、なぜか脳裏をかすめる。



文化も生活習慣も異なる国に1週間も滞在すれば一つや二つの失敗談はあるものだ。今までの海外旅行でもそれがいい思い出となっている。今回のイタリア旅行でのこぼれ話二題を綴っておこう。



● 救急車騒ぎ

最初の宿泊地ミラノのホテルでのこと。バスタブの脇にヒモがぶら下がっている。緊急呼び出し用のヒモである。それとは知らず、カミさんが風呂に入り何気なく引っ張ってしまった。部屋で荷物の整理をしていたら、添乗員から電話。フロントから緊急呼び出しの知らせがあったから救急車を呼んだ。確認してくれとのこと。どうかしたか。とのこと。バスルームをのぞいたらカミさん鼻歌まじりでないか。


コトの仔細をカミさんに話したら、早く救急車を止めてとあわてふためく。ハワイに行ったとき現地のガイドから救急車を呼んだらカネを取られると聞いていたのでイタリアでもそうだと思ったようだ。                                 


幸い、確認した上で救急車を呼ぶということだったので大事には至らなかった。2泊目以降どこのホテルでもこのヒモがぶら下がっていた。添乗員の名誉のために付け加えるが、彼女はミラノの空港からホテルに行く途中に手書きのマニュアルを全員に配ってSOS用だからと念を押していた。バスの中で寝て、バスタブで鼻歌を歌っている者が悪いのだ。



● 拝啓 新ローマ法王フランチェスコ

拝啓フランチェスコ新法王様。私達日本人観光客33名は4月1日にバチカン市国を訪問致しました。コンクラーベという歴史的法王選挙が行われ南米からはじめての法王になられましたことお喜び申し上げます。およそ2週間前に法王選挙がおこなわれたシスティーナ礼拝堂バチカン博物館も見学させていただきました。


ひとつお願いがあります。礼拝堂にしても博物館にしても男子小用トイレの便器の位置が大変高いです。大和男子には踏み台が必要な者がかなりの数になります。法王様は貧しき者に大変理解のあるお方だとマスコミは伝えています。物質的、金銭的貧しき者だけでなく、身体的に貧しき者に対してもどうかご慈悲を賜りますよう大和男子を代表してお願い申し上げます。