続「沈まぬ太陽」

]
きょう8日は暦の上では二十四節気の「寒露」。草花に冷たい露が宿り秋も深まり始める頃。なのに現実は夏日と真夏日の間を行ったり来たりの天気が続く。今年最強と云われる台風25号も九州北部を通過中のようだ。


右下写真の春の爽やかな白い花と、左の写真のこの奇妙なピンクの実はとても結びつかない。そう、千昌夫歌う「北国の春」♪ 白樺青空南風/こぶし咲く あの丘  でお馴染みのコブシの実と花だ。藤岡の緑化センターでは、いま随所でこのコブシの実が見られる。コブシという名前の由来は、この実が子どもの握りこぶしに似ている所からだそうだ。



きのうのメイパパさんのブログに先日亡くなった作家山崎豊子についてのカキコがあった。4年前の今頃山崎豊子原作の映画「沈まぬ太陽」の試写会を名古屋で見た。その日のクマさんの日記のさわり。


「登場人物、団体はすべて架空のものです。」と断り書きがあるものの、誰が見てもJALを描いている。人間ドラマの部分はフィクションだろうが、ストーリーの大筋の展開はノンフィクションだろう。国策会社として設立された当時からのウミがいまだに出し切れてないことがよくわかる。途中10分の休憩がある3時間半の大作だが、長いとは全く感じない。人間ドラマとして見るのもよし、社会派セミドキュメンタリーとして見るのもよし。


そのウミが出し切れてないJALは映画公開から約半年後の2010年2月経営破たん、株式上場廃止になった。本来、市場経済の下では破たんした企業は舞台から退くはずだが、民主党政権が異例の形で救済し2年8ヶ月後の2012年10月には経営再建し再上場を果たした。短期間に再建を果たした努力は評価される。上場に際し、公的資金から支援も返済しているという。


 

破たん後JALは銀行からの借金を棒引きにしてもらい無借金経営という。1兆円近い借金を抱え利払いに苦しむANAとは対照的だ。おまけに今利益が出ても繰越欠損金との相殺により公的支援を受けているのにも拘わらず税金を免れている。ANAを始め多くの国民からは公平な競争が妨げられているという批判が起きても当然だろう。


来春からの羽田国際線の発着枠増強に際し先日ANA11便に対してJAL5便を配分すると新聞に出ていた。民主党主導のJAL復活を「過剰支援」とするANAと自民党の批判が考慮されたとの専らの評判だ。民主党自民党の代理戦争をJALとANAが演じている構図だ。山崎豊子だったらどんなストーリーを描いてくれるだろう。