山崎武司の三振


昨夜から台風並みの強風だ。しかも、身を切るような冷たい強風だ。久しぶりの青空で四つ池の周囲にも朝日が徐々に射しこんできた。冬至前の低い位置から差し込む朝日といえども褐葉した木々をひときわ引き立たせるに十分な光の勢いだ。手前のまだ日の射しこまないエリアに立ち並ぶ葉をすっかりそぎ落とした木々の漆黒のシルエットとのコントラストで十分引き立っている。


花の少ないこの時季に庭に彩りを添えてくれるのが山茶花だ。先日の緑化センターの先生が云っていた。垣根に使っているような山茶花は園芸種で、自生は2,3mの高さになり白い花が咲く。また、山茶花をちゃんと読むとサンサカであるが、いろいろな変遷を重ねてサザンカになった。と。



中日から日ハム、楽天に移籍して去年引退した山崎武司。いま野球解説者をしている。彼が新聞のインタビュー記事でこんなことを話していた。中日時代三振をすると使って貰えなくなるという恐怖で常におびえていた。楽天に移って野村監督から諭された。「漠然とした三振はいけないが、理由さえ自分で問い詰められるなら三振でもいいじゃないか」。その言葉で2ストライク後の”思い切り”がよくなったと。


岐阜県で廃車解体時にタカタ製エアバッグの部品が破裂した問題を受けて、トヨタが予防的な措置としてリコールに踏み切ったことが先日の新聞に載っていた。今回のタカタ製エアバッグをはじめとして米国で何年も前から日本車のリコール問題が話題になってきた。三振に対する考え方に日米に開きがあるようにリコールについての考え方にもその開きがあるから溝がなかなか埋まらないと思う。


野村監督の考え方は米国野球の三振に対する考え方と同じだと思う。日本のリコールに対する考えは欠陥品=敗北につながり頑な態度になる。山崎選手が三振=使って貰えなくなる恐怖におびえていたのと同じではないだろうか。今回のトヨタの予防的な措置としのリコールは米国流の改良を重ねてより良い品質を作り出す考えに通じるものがある。そして、山崎選手の理由の問い詰められる三振をして(リコールをして)”思い切り”がよくなる。(より良い品質を作り出す)ことにつながるのだ。


山崎選手が野村監督に出会って一皮むけた。両リーグ通じてのホームラン王という金字塔をたてた。トヨタもかつてない予防的措置としてのリーコールに踏み切って一皮むけた。