日陰の子 自衛隊


春爛漫、花見日和が続く。「春には3日の晴れなし」と云われるようにあすからは下り坂の予報だ。 病院に行った帰りに保田ヶ池公園に立ち寄った。街中の喧騒と隣り合わせの場所ながら、一歩公園の中に入れば別天地。広々とした池を抱くように満開の桜が今が盛りと咲き誇っている。
                                                

ここは2004年に世界カヌーポロ選手権が開かれた保田ヶ池の周りを取り囲む公園だ。カヌーポロとは一人乗りの小型のボートに乗って競技する水球だ。カヌーポロは日本一日本代表になりやすい競技だそうだ。逆にいえば、それほどマイナーな競技だ。




平日の昼間、老夫婦が幼子の手を引いた若い母親がそれぞれにうららかな日和に誘われて花見を満喫している様子だ。まさに平和な風景だ。


各メディアがこのところ連日花見の報道だ。日本人は毎年、桜の花を眺めて春の訪れを知るとともに、自分も生きながらえてまた花の盛りにめぐりあえたことを喜んで来たのだろう。



安倍首相が国会審議の中で自衛隊を「わが軍」と述べたことで物議を醸している。「自衛隊は軍隊でない」という考え方は自衛隊が合憲であることの理由になる。いや、そもそも自衛隊が軍隊かどうかは軍隊の定義いかんによるものとも云える。いや、いや、憲法上は軍隊でなくても国際法上は軍隊に該当する。などとこんな議論を何年繰り返しているのだろう?


熊さん、八っあん談義だったらこうだろう。むつかしい理屈は抜きにして、いつまで自衛隊を”日陰の子”扱いしているのだ。かつては、自衛隊員の子というだけで学校で随分いじめもあったと聞く。災害復旧作業だけが自衛隊の晴れ舞台でない。いいかげんに、自衛隊をきちんと認知してやったらどうだ。


国際社会で日本の存在感が増せば増すほど”特殊な国”だから仕方ないという甘えは通用しないだろう。今回の安倍首相の発言は議論を深めるのによいきっかけにしてほしいものだ。