錦絵ポスター


予報では午前中は傘マークだったが、薄日の洩れる穏やかな天気になり、1ヶ月半ぶりのグラウンドゴルフ。8月の夏休みと9月に入ってからの行事の関係やら雨続きでこんなにもインターバルができたのだ。グランドには赤トンボが飛び交う季節になっていた。



きのう所用で名古屋に行った。地下鉄の伏見駅東山線ホームからエスカレーターで降りて鶴舞線ホームへ移動する通路の壁に上の画像にあるA1判のポスターが6.7枚連続して貼り出され、大変人目についた。明治初期の文明開化の頃の錦絵で地下鉄駅でのマナーを啓発するものだった。


20年前大阪に赴任した時、新大阪駅エスカレーターの乗り方に違和感を感じた。東京・名古屋から下り列車が到着したときはホームからエスカレーター左立ちで降りて行く人が多い。上り線ホームに上がるエスカレーターは右立ち、左立ちばらばらの状態のことが多かった。



後で知ったことだが、東京・名古屋では左立ち、関西は右立ちのルールが自然発生的に始まったそうだ。関西では、阪急梅田駅に半世紀ほど前、1階から3階へ続く長いエスカレーターが出来た時に「お急ぎの方のために左をお空け下さい」と放送したのが右立ちのきっかけだそうだ。(クマの見解。同駅には長い動く歩道があり、人は右のルールをエスカレーターにも適用したのではないか)


10日ほど前の朝日新聞デジタル版に「エスカレーターマナー」についての記事が載っていた。それによると、全国的にもっとも啓発運動に熱心なのは名古屋の地下鉄だそうだ。15年前からこの運動をしているが、それでも昨年度22件のエスカレーターでの転倒事故が起きている。



「歩かないで、手すりにつかまり、立ち止まってご利用ください」とか「歩く振動により緊急停止します」などと放送されるのを聞いたことがある。毎月2度くらいは地下鉄を利用するが、ラッシュ時の右側は歩行者専用レーンの感がある。そこでルール通り立ち止まるのには相当勇気がいる。非ラッシュ時は右側空けがほゞ徹底されている気がする。


首都圏では片側空けが定着しているため、禁じることで守る人と守らない人との間でトラブルになる恐れがあるため「歩行禁止」までうたっていないそうだ。ようやく名古屋で変わってきた段階、他都市ではまだ長い時間が必要だろうと記事は結んでいた。


お役所仕事には珍しい錦絵風の啓発ポスター。はがして失敬して行く者も現れるかもしれないほどだ。ポスターの内容にもそれほど関心を持ってもらえれば、しめたもの。さぁ、どうだろうか?